LGBTと就活から共生社会を考えた

2016/09/14

こんにちは、ジャンです!今日はLGBTと就活について僕が考えたことを書こうと思います。

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僕と就活

僕はぶっちゃけ就活ほぼしてません。いきなり役立たず宣言。”ほぼ”と言ったのは、一応一社だけ受けて内定をいただいたからです。 僕は大学卒業後そのまま大学院に行く予定でしたが、大学院に落ちました。長崎大学大学院 熱帯医学・グローバルヘルス研究科。ここ以外なら行く気はなかったので他の院は受験しておらず(お金もったいないでしょ)、僕は一気に進路未定者になりました。 もともとは国際健康開発研究科という名前だったのですが、この大学院が求める人材像は

実務経験(国内外、職種を問わない)、社会貢献(ボランティア)活動などの経験を有する人材の応募を歓迎する。大学及び看護学校等の専門職学校卒業後、青年海外協力隊(Japan Overseas Cooperation Volunteers、JOCV)、NGO、政府機関、民間企業などで数年間の実務経験(国内外及び職種等は問わない)を有する者、又はこれに相当する経験を有する者が望ましい。

というわけで、大学卒業後に社会人経験なりボランティア経験なりがある人材を求めていたわけですね。こりゃあもう一回受験してもおちるので僕は社会人経験を得るために就活を始めることにしました。大学卒業2週間前の話です

※ちなみに、僕は大学院を受験する際に事前にカミングアウトし手で男性名で受験しています。国立の大学院なのでおそらく合否には関係ないと思います。平成28年度から障害者差別解消法が施行されますが、この流れを受けて国公立の大学やら高校やらではこの辺の差別もなくさないといけなくなるんじゃなかろうかと踏んでいます。性同一性障害が障害か否かについてはまた別の回で。

そして僕は就活を始めるわけですが、就活なんてどうやっていいのか知らなかったのでできそうなことから始めました。就職してもすぐに大学院に行く気でいたので、「企業に失礼かなぁ」と思いましたが、院に入るために「社会人経験」という資格を取りにいかなければならなりません。

とりあえず就活浪人も時間が勿体なくて嫌なので、職種は何でもいいから僕を男として雇ってくれそうですぐに働かせてくれるところを探しました。 一社だけ見つけました。正社員として働かせてくれそうな会社を。性風俗産業に関わる会社でしたが、大学院入試にあたってエイズやその他の性感染症の勉強をしていたので、その知識を活かしてプレゼンをし何とか内定をいただきました。ありがたや。結局青年海外協力隊に合格して蹴っちゃったのですが...。

前例がない!協力隊50年の歴史で初のトランスジェンダー隊員?ジャンの自己紹介

できんことはないけどさ

まぁ、正直就活できないことはないと思うんですよ。でも僕もカミングアウトするだのしないだので無駄な労力使うのも気疲れするのも嫌だったので、初めから「LGBTでも採用します」ってところしか見てなかった。大きい企業はそういうとこ多いんですよね。でも大企業なんて受けても、まず僕の低スペックじゃ通らないってのが大きい理由でもありますが、あんな中途半端な時期に就活して「春から働きたいので採用してください!!」って言っても採用してくれないでしょうよ。

そうなると大企業はナシになる、だから他を探すんですが、そうなると「LGBTも差別なく採用します!」なんて大きく掲げている会社はほぼなくなるわけですよ。地元の中小企業にそんな会社見当たらないと思うんです。 僕は今でこそ「性同一性障害だけど絶対普通の人より役立つから雇ってください」って言えるくらいの厚顔無恥な態度がとれるようになったのでまだいいのですが、そういう当事者だけじゃありません。ていうか僕が特殊かもしれません。

当事者の不安

はっきりとセクシャリティを明かせない、差別が怖い、そんな当事者はごまんといます。少なくとも企業が「LGBTも差別しませんよ」と明示してくれたらどれほど安心できるでしょう? 明示していないのであれば当事者はどうするか?

  1. オープンでない会社相手にもカミングアウトしながら就活する
  2. 泣く泣く自分を隠して就活
  3. 泣くだけ。正社員をあきらめるかニートか抜け殻みたいに生きるか自殺

1.はいろいろ割り切れてないとできません。世の中これができる人ばっかりだったら苦しむ人なんていない。そして就職成功率が下がる可能性も無きにしも非ず。カミングアウトして50社受けて1つも内定がなかった人もいます。カミングアウトが原因とは言い切れませんが、無関係とは思えませんね。

2.でうまくいけばいいかというとそうでもありません。内定後もずっと自分を隠していくのでしょうか?それともカミングアウトする?でもカミングアウトしたとたん、手のひら返されて内定取り消しになったらどうしよう...(実際にそういう事例はあります。ちなみにその方はその後、再び努力して行政書士の資格を取り「前例のない」会社に100倍の倍率を潜り抜けて内定を勝ち取ったんだそうな)。

3.もう最悪。たかがセクシャリティで将来丸つぶれ。されどセクシャリティで差別されたら超つらい。極端な書き方してますが、極論そういうことです。 そもそも普通に就活するだけでもみんなヒーハー言ってるのに、さらにこんなことも考えなきゃいけないなんて!当事者なんてやめちまいたいぜ!でもセクシャリティ変えるなんて無理。2.みたいな事例もあるので、正直なところ、企業側がはっきりと「差別しません」と示してくれない限りは信用できないんですよ。

企業側のメリットは?

その中には優秀な人材も含まれているでしょう。LGBTだから、という理由で落としたり、または本人がその企業を受けようともしないとなると、企業側にとってももったいないことではないでしょうか?以下の記事をご覧ください。 日系企業はウンザリ?高学歴LGBTの就活 知られざる優秀人材の海外流出 この中でLGBTの中に企業側が求めるグローバル人材が多くいる可能性について触れられています。

ダイバーシティーを進める東レ経営研究所の渥美由喜氏も「特定の性に対する理解が足りないことで、優秀な人材を知らぬ間に逃すのは企業にとって非常にもったいないこと」だと分析する。 多くのLGBT学生に見られる特徴として、渥美氏が上げるのは以下の3点だ 1自分の性のことで将来を案じ勉学に励むので高学歴が多い。 2団体に属することが難しいため「個」を磨き自分の視点をもっている(組織にいても自立心が高い)。 3日本より生きやすい場所を求めて語学の習得に注力し、国際感覚が優れている。 まさに、グローバル人材にふさわしい人がたくさんいるのだ。 ちなみに、こういう話をすると、必ず「そういう人ばかりではない」という話をもちだす方がいる。当然、LGBTも異性愛者も色々な人がいる。今回は、LGBTの置かれた立場を変えていく力があるリーダー層に光をあてている。企業が求める人材は、LGBTの中にもたくさんいるという意味なので、どうかあしからずご承知ください。

LGBTの就活事情についてはこちらもぜひ読んでいただきたい。 LGBTの就活事情!~面接時のカミングアウトは不利?~

採用枠も男女によって異なっていたり、髪型、服装、マナーまでもが性別によってはっきりと分かれているため、特にトランスジェンダーの方の場合はエントリー自体が困難になってしまいます。

そう、こういうの面倒くさい。笑 でも逆に雇う側の気持ちを考えると分からんこともないんですよ。そう考えるからこそ「自分が悪い」「自分が我慢するしかない」みたいな思考に陥るんだよなぁ。

当事者も雇う側(非当事者)も変わろう

だけどね、当事者の人、良く聞いてほしい。「自分が悪い」なんて考えたらだめです。だってあなたは悪くないし、自分だけは自分を肯定しないと悲しい。 世の中が少しずつLGBTに優しくなってきている。それは当たり前であると同時にありがたいことでもあると僕は思っています。 当事者がひたむきに生きようとしても、非当事者が「LGBTの人って何考えてるかわからない」と、遠ざけてしまえば交わることはない。でも逆に、非当事者が理解を示そうとしても、当事者が「どうせあなた方には我々の気持ちは理解できない」という態度をとれば交わることはない。 結局のところ双方が変わらないと現状は良くならないんですね。LGBTも含め、マイノリティが生きやすい社会を作ることは、ほかの人にとっても生きやすい社会を作ることなります。 「何考えてるかわからない」人が近くにいると思うより、「話してみたら案外普通にいい人だった」と気づくほうがホッとするでしょう。ヒトは分かることで安心をする生き物だからです(その賛否はここでは問いません)。そういう意味でも非当事者にもメリットはあります。「LGBT気持ち悪い滅びろ」と思っている人よりも「差別するのは良くない、普通の人と同じじゃん」と思っている人のほうが多数派になってきた世の中です。差別するほうが差別される世の中ね。僕はLGBTを「気持ち悪い」と感じてしまうのも一つの感じ方、権利であると考えているので否定しませんが、気持ち悪い=差別していいにはなりません。変だからいじめていいにならないのと同じ。そこには異議を唱えます。

特別扱いしてほしいんじゃなくて差別してほしくないだけ

そしてご理解いただきたいのは「LGBTを積極採用してくれ」と言っているわけではないということです。 例えば僕と全く同じ能力のAさんと、トランスジェンダーの僕、どっちを採るか?ってなったときにAさんを採るのが現状だと思うんですね。 だから僕は(そんな人は実在しないのだけど)Aさんに負けないように努力をしています。Aさんと同じじゃだめだからです。Aさんの2倍、3倍「できるやつ」になって、ようやく「まぁめんどくさそうだけど雇ってあげてもいいかな」となるからです。 でも本当は僕と全く同じ能力のAさんと、トランスジェンダーの僕、どっちを採るか?ってなったときにAさんを採る現状、これ自体が差別なんですよね。

性同一性障害やセクシャルマイノリティをいう逆境をバネに動き続けられる人もいます。でもそうじゃない人もいる。だからこそ「セクシャリティ」とその人の仕事の能力やポテンシャルは全く切り離すことはできずとも、別で考慮してほしいと思います。

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