「LGBT当事者?尚更、良いじゃん。」カミングアウトは自己紹介。日本社会から逃げてきたLGBT当事者の私が海外存在意義を感じた言葉とは?
2016/09/14
日本のLGBTワードの認知度や多様化が求められる昨今。時代は既に今ではなく、次のLGBTの在り方を考えるものになっている。今日は、私が在住する同性婚が可決されている国でのLGBT当事者としての在り方をお伝えします。日本の現在のLGBT活動の一助になるような有益な情報になる事を祈っています。さぁ世界規模でLGBT活動を捉え、海外在住LGBT当事者と日本国内LGBT当事者が手を取り合う時が来た。
以前、私が執筆した記事から、日本国内のLGBT当事者と団体の距離がだいぶ近くなってきました。実際に、日本のLGBT当事者の方からコンタクトを頂けるようになり、LGBT当事者でありながら海外在住ではあるものの、日本人として何が出来るか具体的に考えさせられるきっかけになっています。
海外にいる日本人と日本にいる日本人がお互いの知見や情報を共有する必要性
特に、3年後、より精神的な豊かさを追求する時代になるからこそ、どうやって結婚する?どこで家庭を築く?という情報は世界規模で情報を選べられるようにする必要があり、更に踏み込んでLGBT当事者が海外へ進出出来る環境や機会を与えられる必要も感じています。
一度でも良いから、LGBTの方々、外から日本をみてみませんか?パイオニアは、外から日本だけではなく個人をみられる機会を与えるプロジェクト準備を現在、進めています。その際、多くのデータ収集が必要となります。これからも何卒、お力添えの程、宜しくお願い申し上げます。道がないなら、道をつくれば良い、一緒に。
そもそも何故、LGBT当事者で海外在住なのか?な方も多いでしょう。その一つの理由として、「ヒロトはヒロト。私は男でも女でもないヒロトという人が好き。」という愛するパートナーの言葉が海外在住の選択という事になったのを以下の初回の記事にてお伝えしました。
そして、何故、同性結婚が可決している国の中からニュージーランドを選んだか。
「尚更良いじゃん。」同性婚が可決している国でのLGBT当事者の在り方と存在意義を与えてくれた言葉とは?
私は今、愛する彼女と借家で暮らしています。1軒屋。その家のオーナーさんは私たちの関係を全て知っています。それは、入居の初日。身分証名としてパスポートのコピーを取る必要があったからです。
自分に嘘をつく事が、その人へ嘘をついている後ろめたさになる。その想いで素直にまずは自己紹介。
私は嘘をつきたくありません。3年後、笑える嘘であればついても良いと思っていますが、それは誰かを巻き込む事例。例えば、あなたの大好きなアーティストのライブチケット外れた。(実は当たっている。)サプライズプレゼントのための嘘であったとか。でも、私という存在に関しては嘘偽りなく生きていきたい。だから、素直に言いました。
「あ、私、見た目も心も男なんですが、性別は女なんですね。」
カミングアウトではなく、自己紹介。「私、こんなんです。」
オーナーさんは「あっ、そう。だから?」みたいな感じでした笑 そうですね。私が在住している同性婚が可決された国では、LGBT当事者である事はカミングアウト?というか、私の取り扱い説明書紹介、単なる自己紹介だと思っています。「He(英語の三人称の呼び名「彼」)」と呼んだら喜びます、呼んでください。「She(彼女)」ではなく、「He」です、みたいな。それに対して?ていう人はまずいません。と、いうかむしろ私の場合だと、「そうだと思った〜!なんでもっと早く言わないの!笑」と昔、バンクーバー,カナダの語学学校で心友のチリ人の女の子から「Don`t be shy! Don`t be afraid ! You are my best friend.」と言われた事もあり、基本的にはプライベートで仲良くなる方にはさらって言います。これが日本人でもあんまり自分のスタイルを曲げた事はないですね。自己紹介しないと自分が「She」て呼ばれたり、職場でも女性の制服着させられたりと自分が嫌な想いを招く事になるだけなんで、海外在住だからこそ自己の存在主張は大切です。自己紹介して、面倒くさい、向こうがこの人なんか嫌だなと思えば自然と離れていきますし。来るもの拒まず、去る者追わず。安心して下さい、本当に自分に必要な仲間は必ず去らないです。
「尚更良いじゃん。」LGBT当事者として海外で生きる意味
オーナーさんが家に帰って、自分の娘に私の事を話したみたいです。娘さんは今年から大学生。娘さんの第一声は「尚更良いじゃん。」という言葉でした。
,,,衝撃でした。
ヒロトはこの言葉をかけられる日が来るなんて思ってもいませんでしたから。
LGBT当事者であるだけで存在価値を見出せなかった日本の日々からの脱却
まぁ生きてれば酸いも甘いもあるわけで、、、詳しくは講演会で言います!とにかく何かある度に自己の存在は悪だと思い、自分の価値を否定していました。そんなもんだから「尚更、良いじゃん。」て自分の存在を肯定される日がくるなんて、思ってもいなかったわけです。何度も言いますが、十人十色。私は間違いなく日本にいたら手術をして男になっていました。その道しか幸せになれないと思っていたからです。男か女かさぁどっち?白黒はっきりさせないと気が済まない風潮。グレーゾーンのなさ。当時、LGBTという言葉もなく、自分に自信がなかった私は、社会で役に立つスキルをと世界規模で物事を考えるために海外へ行きました。
まとめ
ヒロトとはまだ2回しか会っていないのに、
あなたはわたしに「ありがとうござい ます」を
10回以上確実に言ったのよ。
「ありがとう」という言葉を言われて嫌な人はいないけど、
わたしは、あなたが 今までそうやってたくさんの人たちに
「ありがとう」を言ってきたのか と思っ たら、
ちょっと切なくなっちゃった、、、、、
人に感謝することはいいことだし、それを伝える「ありがとう」
という言葉もい いけど、
もうすこしヒロトにはここでは、これからは、
普通に生きて いって欲しいと思ったの。そう思ったの。
うまく言えないけどね。」(ヒロト家のオーナーさんの言葉)
この言葉こそ、LGBT当事者の海外の存在意義でもあり、私が既に同性婚が可決されている国にいる海外在住者とこれから同じ道を辿るであろう日本在住者がお互いの知を共有し、更なる知の組み合わせで新しいものをクリエイトする必要を感じたきっかけです。私は、上のオーナーさんから与えられた言葉を、一人でも多くのLGBT当事者に与えていきたいです。今、私が在住している国は、既に同性婚が可決され、同性婚が出来ます。だからその国へ行って私、幸せ!Happy!で終わりではない。既に出来る道にいるからこそ、その先の幸せをつくる事に注力する使命がある。
だから、パイオニアを立ち上げた。
私が海外進出を考えた当時はもう5年も前の話なので、時代は変わります。今ではLGBT当事者の活躍が日本でも注目を浴びるようになってきましたが、私は本当にLGBT当事者が日本で「LGBT当事者?尚更、良いじゃん。」と言われる時代の到来はいつ来るか分からないです。だからこそ、社会ではなく、自分を変えられるか、変われるか内面の変革の実感できる道や体験も必要だと思います。
日本の活動で疲れたら、ほっと一息。同性婚が可決されている国でパワーを充電すれば良い。そして、新しい道をみつけたり、模索したり、追求してみたりすればまたLGBT講演会やパートナーシップとは違ったアプローチがLGBT業界で出来、更なるLGBT業界の追い風になるかもしれない。そうやって、LGBT当事者の海外在住者と日本在住者の繋がりを増やして、死ぬまでの「あ〜自分幸せ!」と思う体験を一つでも増やして欲しい。
時間は有限ですからね。
自分で幸せをつくる事も大切だが、自分で幸せをみつけられるようになる事も大事。
最後になりましたが、皆様と共に一緒に道を歩んでいけるよう、何卒、下記のアンケートのご協力を宜しくお願い致します。道がないなら、一緒につくろう!パイオニアで。