夢を叶えて良いんですか?トランスジェンダーだろうが何だろうが、なりたい自分になればいい。
2016/09/25
こんにちは。顔の見えないパイオニアメンバー、仮面ライダージャンです。少しでも安心していただけるように似顔絵を用意しました。
ジャジャン
/ジャンだよ\
これ、自分で描いたやつですが結構似てると思うんですよね~。口と鼻と眉毛が。自画自賛。こういう顔の人を見かけたら「あ!彼女いない歴=年齢のジャンだ!」と思っていただいて間違いはないでしょう。僕と妄想彼女の話はこちら。
さて、ヒロトさんもあさひくんもとってもいい記事を書くのでなんかもう僕書くことNE-YOっていう状態なのですが、絞り出していこうと思います。2人の記事はこちら
「私にはママが二人いるの。」同性婚が可決している国の在住者が考えるLGBT当事者家族の在り方で大切にすべきLGBT近親者の存在
彼らが結婚や家族、パートナーの話をしてくれると思うので僕はちょっと違う話をしようと思います。
僕が国際協力師を目指す理由
僕と国際協力
僕は国際協力師というものを目指しています。簡単に言うと国際協力の業界でプロとしてお給料をいただいて生きていくということですね。これを目指そうと思ったのは高校生の頃で、結局今こうやって青年海外協力隊として海外に行くのもこのステップの一つなのです。
だから僕にとって青年海外協力隊というのは「自分が昔から夢見ていたもの」ではなく、目標をかなえるための手段に過ぎないということになります。「小さいころから青年海外協力隊にあこがれていたんです!」というタイプではないんですね。
9.11が僕が9歳の頃に起こりました。テレビの向こう側でビルに飛行機が突っ込んでいく映像を何度も見て、その度に漠然と「なんでこんなことが起こるんだろう?」と思っていました。その頃は国際協力に関心があったわけではないですが、海外への興味関心を持つきっかけの一つではありました。
そんなテロ事件発生から7年後、僕は高校2年生でした。その頃の僕は自分のセクシャリティに気が付きつつもカミングアウトをすることはなく普通に生活していました。
そしてある日マンガの好きなクラスメイトがこんな話をし始めました。「私は同人誌とか漫画とか好きだけど、ボーイズラブだけは絶対にありえない」と。僕は何故そう思うのか尋ねました。すると「だって生物学的にありえないし、生産性もないじゃん」と彼女は答えました。…もちろん彼女は僕のセクシャリティの秘密なんか知る由もありません。今の僕なら淡々と理詰めで反論したことでしょう。でも僕は当然反論することなどできず、その言葉も僕に向かって言われたような気がして、「あはは、そうだね。」とうすら笑いを浮かべてかわすことしかできないのでした。まるでワールド・トレード・センターにテロリストのビルが突っ込んだような衝撃で、僕に彼女の言葉は突き刺さりました。
脱・社会の役立たず
「生物学的にあり得ないし、生産性もない」僕はこの言葉を反芻し、暗い気持ちになるのでした。「私は生物学的におかしいし、生産性がなくて社会的に役に立たないんだな」その事実が高校生の、まだ「私」だった僕に突き刺さりました。僕の本名には「みんなの役に立つような人になるように」という意味も込められています。その言葉通りに育たなかった僕は両親にも申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
一方で何をくだらないことで悩んでいるんだろう、とも思っていました。世界中見渡せば衣食住に満たされず学校にも通えない人がたくさんいます。僕は両親も健在で高校にも通えて、大学受験に向かって勉強もできる。衣食住も特に問題はない。明日生きているかどうかの問題を抱える人たちがごまんといる中、こんなに恵まれているのに性別のことで悩むなんて贅沢だ。そのように考えていたのです。
僕は「役立たずのままで死にたくない」と思いました。だから僕は「国際協力師になって、生物学的におかしくても子供が産めなくて生産性がなくても、社会の役に立つ人間になってから死んでやる」と誓ったのでした。本当は社会に役立たずなんていません。生産性で人を判断するのもバカげています。セクシャリティで悩むのも悪いことではないし、悩んで当然のことです。でも僕は本気でした。そしてもう一つ、日本から海外に逃げたいという理由もありました。表向きにはそうしたことは言いませんでしたが、今思えば非常に後ろ向きでネガティブな理由ばかりで突っ走っていたのでした。
前向きな夢に変わったとき
そんな僕はなんとか大学に合格し、国際協力について学びました。そのなかで国際協力師という幅広い職業の中でも大体何をするのか的を絞りました。また、いつしか自分のセクシャリティの悩みもある程度解決し、カミングアウトもできるようになっていました。それでも国際協力師が僕の目標であることには変わりがありませんでした。
僕がカミングアウトをして学校などでお話をするようになってから、色々な方に「話が聴けて良かった」「自分も勇気を出そうと思えた」と感想をいただけるようになりました。僕はカミングアウトしてよかったと思い、もっと彼らを勇気づけられるようになるにはどうすればいいのだろう、と思うようになりました。 そして僕は思いました。「普通の人と同じようにやりたい仕事に就いて社会で活躍すれば僕と同じような人も勇気づけられるかもしれない」と。
前に出てくる当事者はみんな「LGBTに関しての仕事」をしていることがほとんどです。でも実際はそうではなくて普通の人と同じように夢や憧れをかなえている当事者もいっぱいいて、それは何も恋愛や結婚に限った話ではない。だから僕は「学生の頃からのなりたい職業に就いて夢を叶えた人」のロールモデルになりたいのです。
夢を叶えて良いんです
LGBTの問題になるとどうしても結婚や戸籍の問題への需要がはっきりあるため、そうした悩みへのアドバイス情報に偏っています。LGBの方はまだしも、トランスジェンダーは就きたい職業に就けない人や、そもそもかなり限定された世界の中で物事を考えてしまいがちです。LGBも就きたい職に就けても会社の中で嫌な思いをすることもあるかもしれませんね。でも普通の人にあこがれの職業やかなえたい夢、やりたいことがあるのと同じように僕たちトランスジェンダーだってそうなのです。夢って結婚だけじゃないでしょう?それを僕らも叶えて良いのです。
僕の夢は総合すると「カッコいい大人になること」。そこにはいろいろな意味が込められています。僕はあくまでシスジェンダーの人と対等なラインで見たときに「すごく頑張っていてカッコいいな!」と思われる人になりたいのです。トランスジェンダーもFTMも性同一性障害も僕にとっての職業じゃないからです。
ヒロトさんやあさひくんのように結婚するもよし、僕のように夢を叶えるために努力するもよし、やりたいことをやればいいのです。
「男でも女でもないヒロトという人が好き。」だから手術じゃなくて海外移民という道を選ぶ。全ては彼女の夢「お母さんになる事」を叶えるために
最後に映画「ベンジャミン・バトン―数奇な人生」より、僕のお気に入りの言葉を紹介します。
何をするにしても遅すぎる事はない
なりたい自分になればいい
タイムリミットはない、いつ始めてもいいんだ
変わってもいいし、変わらなくてもいい
ルールなんて無いんだよ
人生は最高にも最悪にもなる。もちろん最高の方がいいけど
驚きに満ちたものを見つけて
それまで感じたことのないことを感じて
人と出会いさまざまな価値観を知って欲しい
誇りを持って人生を生きるんだ道を見失ったら・・・
大丈夫、自分の力でまたやり直せばいいんだ
僕は必ず僕の思うカッコいい大人になります。
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