黙っていたら何も変わらない。前例がないなら前例になろう!僕のトランスジェンダー隊員への道のり

2016/09/25

こんにちは。ジャンです。今日は僕の青年海外協力隊のトランスジェンダー隊員(まだ候補生ですが)までの道のりの話です。

と、その前に

先週末はあさひくんの結婚式がありましたね。パイオニアでも唯一の顔が見えるメンバーとして今1番注目されているあさひくん。そんな彼も旦那様になったのでございます。

本日開催!LGBT結婚式イベントを通して見えてきた大切なこと

ああ、なんて羨ましい!笑

あさひくんはゴールインしましたが、ここからがきっとスタートなのでしょうね。終わりは何かの始まりで、始まりは何かの終わりなのです。そして僕も…

「前例がない」の意味

以前の記事のコメントで「友人がFTMで協力隊に行っています」というコメントがありました。あれ?お前は前例のないトランスジェンダー隊員じゃないのか?このウソツキ!って話ですよね。

コメントの返信としても書いたのですが皆様にもわかるように書いておきます。僕が前例のないトランスジェンダー隊員だというのは、あくまでJICAの本部の方が明確に認知している初のトランスジェンダー隊員だということです。もちろん青年海外協力隊50年の歴史の中ではトランスジェンダーだけどカミングアウトせずに生まれたときの性で参加した隊員の方もいらっしゃったかと思います。もしくは戸籍変更済みの埋没で。ただ、青年海外協力隊は手術歴や病歴などを正直に申告する必要があるので、戸籍変更をしたうえで変更後の性で参加するというのはほぼ不可能だと思います。僕が本部の方と直接お話をして公式な見解として「50年の歴史の中で、少なくとも本部の認識上はそのような隊員はいなかった」とおっしゃっていたことから、変更後の性で参加した隊員もいなさそうです。ただ、手術歴などを正直に言わなければ本部の方が認識していないこともあり得るかもしれませんね。

僕の今後

僕は平成28年年1次隊として合格していましたが、合格後に通称名が使えるかどうか確認だけしておこ~くらいの軽いノリで本部の方にカムしてしまい、なんだか大ごとになって、隊次・派遣国が変更になってしまったわけなんですね。これによって本来ならこの五月末現在、あと一か月で派遣!という状態だった僕の派遣は早くても今年の3次隊、つまりは12月か1月に変更になってしまったのです。

僕もそもそもは女性隊員として参加するつもりでいましたし、仕方のないことだと思っていました。しかし本部の方はかなり真摯に動いてくださっています。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。あとは7月からアフリカに行くものだと思ってたくさん応援してくれた周りの人にも、本当に申し訳なくてとても苦しいです。しかし「こういう隊員もいる」という意思表示を本部の方にできたのはある意味良かったのかな、と思っています。

前例になろう

もちろんこっそり(?)女性として参加してFTMだとカミングアウトしていくのも「アリ」だったと思います。僕自身JICAという機関に対してそういう面への対応や配慮を期待していたわけではないですからね。でも僕がJICAにカミングアウトする前に、『「性同一性障害 青年海外協力隊」で検索したらこのブログが出てきた!そういう人がいることが分かって嬉しい』というようなメッセージを個人ブログでいただきました。やはり僕と同じような人はいる。だからこそ本部の方に公式に認知していただく必要もあるのかもしれない、と思いました。それで通称名のことも一応問い合わせてみよう!と思ったんですね。

僕が大学生の頃僕は大学側に通称名の使用許可を求めました。しかし「前例がない」という理由ですぐに却下。僕は「そんなことだろうと思ったよ。まぁ僕のわがままだしな」とすぐに諦め、結局女性名で大学生活を送り、そのまま卒業証書を受け取りました。

ところが僕の後輩のMTFが大学に同様のことを訴え、僕の大学では通称名の使用許可が下りたのでした。僕の大学は私立大学ではない上に地方の大学なので、かなり珍しいことだと思います。

彼女は僕ができなかったことをきちんとやり遂げた。だから彼女の下の世代は今後何の苦労もなく通称名を使うことができるようになった。でも僕は「僕のわがままだしいいや」とすぐに引き下がった。だから僕はなにも変えられなかった

もうそんな思いはしたくないのです。僕は「自分さえ良ければいい」という風に考えるのをやめました。僕が声を上げることで道を開いていけるかもしれない。協力隊に応募するときもかなり悩みました。カムするかしないか、そもそもただでさえ狭き門である青年海外協力隊に対して、不利な条件を引っ提げていくのにも抵抗がありました。

行きつけの美容院の美容師さんとも話していました。「僕みたいな性同一性障害の人が言ったって話聞かないんですよね。前例もなさそうで…」と僕は言いました。でも彼は何気なく言いました。「えー?前例がないならなればいいや~ん!」

僕は頭から水をぶっかけられたような気分になりました。

f:id:PioneerLGBT:20160531161300j:plainまぁ美容院だから本当に頭から水ぶっかけられたんですけどね

…そうなんです。前例がないを理由に引き下がってはいけない。なぜならそれは自分が前例になれるチャンスだからです。

前例がない!協力隊50年の歴史で初のトランスジェンダー隊員?ジャンの自己紹介

ちなみにその美容師さんは「え、俺そんなこと言ってたっけ?笑」と忘れていましたけどね!

僕が10年以上大好きな歌にコブクロの轍-わだち-という歌があります。勝手に僕のテーマソングだと思っています。笑

しがらみの中をかき分けて進め

傷だらけの両手がいつの日か輝いて見えるまで

開いた扉通り抜けてもそれじゃ強くなれやしないよ

閉じた扉タタキ潰してゆこう 君の未来のほうへ

元気とやる気が出るので聞いてみてください。

そういう訳で、僕はまだしばらく日本にいるのですが、日本にいる間にできることを全力でこなしていきたいと思います。いつか誰かが通れるような轍を作るために。

「いいね!」して
最新情報を受け取ろう!

-FTM, Jan, LGBTカミングアウト, LGBT人生, LGBT学校生活, LGBT最新情報, LGBT海外就職, LGBT青年海外協力隊, Xジェンダー, 性同一性障害
-, , , , , , , , , , , ,