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2018年2月25日完 パイオニアのご愛読ありがとうございました!

はじめの2回は大失敗!トランスジェンダーの僕が周りにカミングアウトするまで。

2016/09/25

こんにちは、ジャンです。今日は僕のカミングアウトの話です。

 レンタルジャン企画、始まりました

前回の僕の記事で発表となりましたが、レンタルジャンという企画が始まっています。

【新企画】鹿児島県限定で最低50円からジャンを借りられる企画!?レンタルジャン、はじめました。

鹿児島県限定とはなりますが、ジャンが直接お伺いいたします!ジャンと会ってみたい、話してみたいという方がもしいらっしゃれば宜しくお願い致します。

レンタルジャンお申込みページ

さて、今度レンタルジャン企画とは別で完全に個人的にLGBT当事者の高校生に会いに行きます。高校時代の恩師からご連絡をいただき、相談に乗ってあげてほしいとのことでした。事前に何を聞きたいのかを先生に伝えてもらったので、その子の質問に答えられるように今回振り返ってまとめてみようと思います。いくつか質問をいただいていますが、今回はカミングアウトした時の事について書きます。

初めてのカミングアウト

2連続失敗

僕が初めて自分の違和感を伝えたのはちょうど7年前、高校3年生、17歳の頃でした。その時に母親にカミングアウトをしました。どのように伝えたのかはっきりとは覚えていないのですが、当時の僕は自分がどのように扱われたいのか、何に悩んでいるのか自分でもよくわかっていませんでした。自分でもわかっていないことを人に伝えることはできません。

カミングアウトした時に母親は「男としてとか女としてじゃなくて、人間として立派な人間になってほしい」と言われました。僕はそういわれてとても安心したのを覚えています。ただ、母親もちゃんと理解できていなかったらしくカミングアウトから1週間ほどたったある日、「お母さんの友達も昔は男の子みたいでさばさばした子だったけど、今は結婚して子供もいるから多分大丈夫だよ」と言われました。

僕は「そうじゃないんだ」と思いましたが、受験生で忙しかったので「もうその話は辞めよう」と言ってそれから高校卒業して家を出るまでその話は一切しませんでした。

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そして高校卒業が決まり、後期試験でやっと合格して県外の大学に進学することが決まりました。その当時、僕は友達のことが女性として気になっていました。その子に「好きな人いないの?」と聞かれました。僕はまたもやなんと説明していいのかわからず、「女性を好きになってしまう」という話をしました。「男になりたい」とも「君が好きだ」とも言えなかった。その子なら理解してくれるんじゃないか、という気持ちと、もう鹿児島を出て行くんだしどうにでもなれという気持ちでした。

結局またも正しく理解してもらえず、その子とは連絡が取れなくなってしまいました。

目指すは「普通の女子大生」

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僕はその時、辛くて仕方ありませんでした。人に嫌われるとここまで傷付くもんなんだなぁ、とけだるい体を横たわらせて天井を見ながらぼんやり考えていました。7年前、まだLGBTなんて言葉をテレビで目にすることもないような時期。やはり自分のことは理解されないのか、こんなに嫌な思いをするくらいなら心の性を体の性に合わせよう、と思いました。

同じ進学先の子に「化粧と服装を教えてくれ」と頼みました。「まずリップを塗るところからはじめようか」と言われたのを覚えています。入学式はばっちり化粧をしていきました。最近大学の友達に「家の掃除してたらさ、入学式の写真出てきたんだけどこれ誰!?って思ったらジャンだったよ」と言われました。それくらい、今とは違う雰囲気だったようです。

僕は毎日化粧をして、時にはスカートも履きました。今考えると何もそこまでしなくても、と思うのですが僕は必死でした。

限界がやってきた

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しかしながらそんな無理は長くは続きません。僕は「どうして好きでもない服を着て、化粧なんかして、誰に気を遣っているんだろう。」と思いました。また、そろそろ大学2年生になる頃だったので「このままでいいのかな?」と考え始めました。

やっぱりこのままじゃだめだ。

僕はそう思いました。僕は髪を切り、スカートは捨て、化粧もやめました。自分がしたい恰好をしよう。そして少しずつ自分のことをカミングアウトしました。はじめは本当に緊張しました。話し出すのに時間がかかり、手が震えるのです。

しかし場数を踏んでいき、相手に分かるように伝えられるようになりました。僕がどうなりたいのか、何が嫌なのか、相手に伝えられるようになりました。本当に怖かった。でも、僕を否定する人はいませんでした。みんな「話してくれてありがとう」と言うのでした。それまでうわべだけだった人づきあいが、もっと相手と親密になれるようになりました。

まとめ

結局、自分が変わらないといけないのです。僕が悩みぬいてたどり着いた答えは「自分のことを一生最優先で、本気で考えてくれる人は、親じゃないし兄弟でもない。友達じゃなければ恋人でもないし、まして学校の先生なんかじゃない。自分自身でしかありえない」ということです。

自分が分かっていないことは伝えられない。だから自分と向き合って自分のことを本気で考えてあげないといけないんですね。自分もよく分からないことを人に分かってもらおうなんて、考えてみたら虫が良すぎるんですよ。例えばクエスチョニングであっても、それをそのまま「自分でもまだ自分の性別のことがよくわからない。でも○○だと思う。だから○○されるのはあまりいい気持ちがしなくて悩んでいる」という風にそのまま伝えられるように明文化することは大事かもしれません。

もしまだカミングアウトが成功していない人がこの記事を読んでいるとして僕が言えることは、「カミングアウトはタイミング。絶対にしなきゃいけないことじゃない。でも僕自身カミングアウトが成功して毎日が楽しくなった」ということ。僕も初めの二回は大失敗でしたが、母親も、連絡が取れなくなった友人も今は正しく理解してくれて良好な関係なんです。

健闘を祈ります!

ヒロトさんのカミングアウト記事はこちら!

「LGBT当事者?尚更、良いじゃん。」カミングアウトは自己紹介。日本社会から逃げてきたLGBT当事者の私が海外存在意義を感じた言葉とは?

 

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