LGBTに住みやすいのはやっぱり都会?田舎暮らしのLGBTが肩身が狭い5つの理由
2016/09/25
こんにちは、ジャンです。今日はLGBTと田舎暮らしについて考えてみました。
LGBTの田舎暮らし
高校生にあってきたよ
以前の記事で高校生に会ってくるよという話をしましたが、昨日会ってきました。僕の住む町からは車で2時間近くかかる場所です。僕は家の周りは何もないとはいえ、一応県庁所在地の市なので彼が住んでいるのは僕の町よりも田舎にあるんですね。
そんな彼の悩みは進路のこと。彼もFtMなのですが、家族の理解はあるようなないような...そんな中途半端な状況なんだそうです。そしてさらにこれは田舎あるあるですが、県外への進学や就職を親が許してくれない!という点。関東関西の方からは信じられないかもしれませんが、九州はいまだにそんな感じなのです。特に鹿児島は。
そういうわけで田舎とLGBTについて少し考えてみました。
1.男女による明確な分業が多い
まず田舎であればあるほど、男女による分業が多いですね。農業だと力仕事は男で、袋に詰めたり箱を組み立てたりするのは主に女性。もちろん力仕事をする女性もいますが、まずはそういうところで男女差が顕著に表れます。どうしても男性のほうが力はあるので、効率を考えるとそうなってきますよね。
都会の仕事は事務仕事、サービス業が多いので、男女の差が仕事の出来不出来にあまり関係ない場合が多いのです。田舎にそういった仕事がないわけではないのですが、就業できる人数は限られてきますよね。
僕は学校以外でも企業の人事の方向けに人権学習会でお話をすることもあるのですが、やはり人事の方がお話しされるのは「男でも女でも仕事ができればいい。ただ、どのように扱っていいか分からないから、男なのか女なのかははっきりしてほしい」ということ。うーん、僕はFtMなので男として扱ってくれればそれでいいのですが、Xジェンダーの人は肩身の狭い思いをしてしまいそうです。
2.プライベートなことを聞かれる
都会の場合あまりプライベートな話はずけずけ聞かない場合が多いのですが、田舎の人は割と平気で直球な質問をしてきます。僕も4月ごろに働いていた農家の人に「休みの日は何をしている?パチンコか?」「嫁はいるのか?」なんて質問を出会って3分もしないうちにされました。僕はそういうの好きだからいいですけどね。でもLGBTの方に限らず、答えにくいなぁ、放っておいてほしいなぁという人も多いはず。
そして特にLやGは困ることが多そうです。パートナーがいるゲイの人が「嫁はいるのか?」と聞かれ、「いや、夫はいます」なんて答えるやり取りにもなりかねない。もしくは「いません」と答えるか。嫁がいないのは事実なので嘘ではないですけどね...。「結婚してしばらくたつのに子供はいないのか?」なんてのも、LGBTカップルじゃなくてもあまりいい気持がする質問ではないですよね。聞く側もあまり悪気はないんですけどね。
3.田舎の噂話、はやきこと風のごとし
そして田舎の噂話が広がるスピードは本当にはやい。恋愛であれ何であれすごい速さで広がります。みんなtwitterか2ちゃんやってんじゃねぇの?ってくらい。どこの誰と誰が付き合ってて、どこどこさんちは母子家庭で、という話、みんな大好きですからね。娯楽がないのも噂話が広がりやすい要因の一つである気がします。
4.親戚同士の集まりが多い
○○家新年会、みたいなことを僕の家もやっていました。祖父が13人兄弟、祖母も8人兄弟くらいだったので。そのときに年に一度しか会わない親族に会うのですが、ご近所付き合い同様、変に気を遣うシーンが多いですよね。僕は必ず弟と勘違いされます。
5.自分の過去を知っている
これは田舎という理由ではなくて、地元にいるとこうなるんですよね。○○さんちの娘さんはこの間男みたいなカッコして歩いてたわよー!なんて言われる可能性も。カミングアウトしていない同級生や、同級生の親御さんにばったり会うのもなんだか気まずいです。
都会だから住みやすいわけではないけど...
いかがでしょう?僕は実家に帰ってきて正直、居心地が悪いです。笑
実家はいいのですが、一歩外を出るとご近所付き合いがあり、親戚の集まりがあり、同級生の親御さんと鉢合わせ、いろんな質問をされ...もう!ほっといて!ってなります。笑
都会だから必ずしも住みやすいわけではないし、パイオニアの僕としては「だからどんどん海外に出ようよ!」と言いたいところですが、田舎問題って、そんなに簡単に解決できるものではないんですよね。
今後もこのことについては考えていきたいです。
ヒロトさんのこちらの記事もぜひ参考にされてみてください。
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