同性愛者にも異性愛者にも知っておいてほしい、エイズの話

2016/07/30

こんにちは、ジャンです。僕は青年海外協力隊としてタイに派遣される予定です。職種が何かというと、感染症・エイズ対策なのです。そんな僕から今回はエイズのお話をしたいと思います。今回は真面目回、いくわよ。

エイズって?

エイズ(AIDS:Acquired Immunodeficiency Syndrome:後天性免疫不全症候群)は、HIV(Human Immunodeficiency Virus:ヒト免疫不全ウイルス)の感染により、比較的長い潜伏期間を経て発症する免疫不全症候群をいいます。要はHIVというウイルスが体の中に入ってからエイズという病気が発症するまで長い期間があるということです。エイズを発症すると免疫力が極端に落ち、通常かからないような病気になってしまうのです。それによって場合により死に至ることもあります。感染経路は、性感染、血液感染、母子感染の3つであり、日常的な接触では感染しません

もはや死の病ではない、けれど...

皆さんはエイズという病気にどのようなイメージをお持ちでしょうか?僕らより少し上の世代の方ですと、「かなり恐ろしい病気」というイメージを持つ方も多いかと思います。

松たか子主演の映画、「告白」を見たことはありますか?あの映画はエイズがキーワードとなるのですが、作中で「エイズはもはや死の病ではありません」というセリフがあります。

f:id:PioneerLGBT:20160708234954j:plain

そう、現代医療においてエイズは薬を飲めば発症を抑えることができる病気です。昔は一日に数回、何錠かの薬を服用する必要がありましたが、今は一日一錠で済む薬も出ているようです。とはいえ免疫力を保つために365日毎日毎日薬を飲まなければなりませんし、完治することはありません。薬の飲み忘れがあると取り返しのつかないことになってしまう。もはや死の病ではないとはいえ、一度罹患すると死ぬまでお付き合いしなければならない病気なのです。

エイズは「ゲイの病気」?

異性間・同性間問わずエイズの性感染は起こる

エイズの感染経路には上にも書いた通り性感染も含まれます。この性感染は異性間交渉でも同性間交渉でも起こります。しかし、エイズは「ゲイの病気」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。そのイメージにはまず、エイズの歴史がかかわっています。

エイズが初めて発見されたのは1981年で、そのエイズ1人目患者がアメリカのロサンゼルスに住む男性同性愛者だったのです。それまでにもエイズと疑われる病気は散見されていたものの、正式にエイズと認定された初めての例がそれだったんですね。エイズがアメリカのゲイコミュニティで広まってしまったために「エイズ=ゲイの病気」というイメージが広がっていきました。さらにエイズの感染経路には血液感染もあります。ですので薬物注射使用者の間でもエイズは広がりました。

f:id:PioneerLGBT:20160709001106j:plain

こうした特定の差別偏見の対象となりやすい集団の中で広がってしまったため、アメリカの当時の保守的な政権は「エイズは健全な合衆国市民がかかる病ではない」として積極的な対策を取りませんでした。その結果エイズは数十万人規模で感染が広まってしまったのです。男性間で性交渉をした後に女性としてその女性が男性として...。もはや同性間異性間なんて関係ないくらい広がっていきました。

では男性同性間で感染率が高いのはなぜ?

「いやいや、それもそうだけど事実、今の日本だってエイズにかかってるのは同性間性交渉をする男性が圧倒的に多いじゃないか!」

そうなんです。こちらをご覧ください。

HIV感染者+エイズ患者累計(平成27年3月29日現在)
男(日本人): 19,538人
女(日本人): 1,239人
男(外国国籍):2,301人
女(外国国籍):1,804人

HIVは女性の方が感染しやすいのになぜ男性の方が感染者が多いのか? | HIV感染SOSより引用

通常女性の方がHIVに感染しやすく、異性間性的接触の場合、男性側の感染率は0.05%、女性側の感染率は 0.1%で女性の方は男性の2倍の感染率なのですが(女性の方が粘膜の接触面積が広いため)、どういうわけか男性の患者の方が多いのです。特に日本人で見ていくと比率がかなり偏っていますよね。さらに感染経路も同性間性交渉による性感染が多いのです。

どうしてこのようなことになってしまうのかというと、異性間性交渉では避妊具を着けることが多いため結果的に感染を防ぐことができているのです。日本では避妊具を着けるのが一般的な避妊法ですが、海外ではピルなどで避妊をするのが主流なところが多いんですね。

同性間の場合は妊娠の心配がないため避妊具を着けずに行うことが多い。結果としてHIV感染も含めて性感染症を防げず、リスクが上がってしまっているんですね。

同性間性交渉でもコンドーム使用を!

相手を大切に思うならコンドームを使おう

f:id:PioneerLGBT:20160709004121j:plain

「男同士なら妊娠の心配もないしコンドームは着けなくていいや!」なんて思ったら大間違いです。コンドームを着けることによって性感染症のリスクを下げることができる、というのは異性間交渉をする人も同性間交渉をする人も覚えておいてください

異性愛者の方も同性愛者の方も、お互いがお互いとしかセックスをしたことがなく両者ともHIVに感染していないことが明白、という場合以外は性行為による感染リスクがあることを頭に入れておきましょう。元カレの元カノの元カレの元カレがHIVに感染していた!なんてことも考えられるわけです。

女性同性間交渉でも感染する

「私はレズビアンだから関係ないや~」と思っているお姉様、「FTMだからチン子ついてないし~」っと思っている貴様、女性同士でもHIVは感染します

www.hiv100aids100.net

要は粘膜が触れ合った場合に感染するので、オーラルセックスでも可能性はありますよね。HIVに感染した人の体液が粘膜に触れると感染する可能性はある、ということを覚えておきましょう。

記事を読んで不安になったら

少しでも心配な方は検査をされることをお勧めします。HIVに感染していることが分かれば、現在の抗HIV医療でエイズの発症を防ぐことができます。

信頼性のある国内のHIV検査キットメーカー比較 | HIV感染SOS

f:id:PioneerLGBT:20160709010253j:plain

HIVに感染していることに全く気が付かず、エイズが発症してから感染に気が付く「いきなりエイズ」も増えています。検査をしてマイナスになることはないので、不安があればキットを使ったり病院に行ったり、何かしらの方法でチェックしてみましょう。

感染症・エイズ対策隊員からのお願いでした!

「いいね!」して
最新情報を受け取ろう!

-Jan, LGBT最新情報, LGBT青年海外協力隊, パイオニアとは?
-, , , , , , , , , , ,