セクシャリティで笑いをとるのは悪いことなのか?笑いと差別とレッテルについて考えてみた
2016/09/25
こんにちは、ジャンです。オネエの方やゲイの方が日々テレビで笑いを取っており、それに関しての賛否両論を耳にすることがあります。自分のセクシャリティを使って「笑いを取る」のは悪いことなのでしょうか?
世渡りジョーズができるまで
居場所がほしいから面白くなった
僕は小さいころから性別に違和感を持っていましたが、それを口にして周りから批判されるのをものすごく恐れていました。ですので本格的にカミングアウトをしはじめたのは大学生からでした。しかし僕も年を重ねるごとに「うまいやり方」みたいなのが身についてきていたので、変な浮き方をすることもなく、男女ともに友達が多い高校生活でした。
僕が嫌われることがあまりなく友達も多かったのは、人を笑わせることが得意だったからのように思えます。顔が良かったり、運動ができたり成績が良かったりすると、往々にしてどこかでねたまれるものですが、面白い人というのはあまりねたまれることはないんですね。ですので攻撃されたり、仲間外れにされたりしてしまうことがほぼなくなります。
お道化のジャン
さて、カミングアウトをした今も僕は人を笑わせることが多いです。それはもうかれこれ20年で身についてしまった習慣みたいなものなのですが、面白くないよりは面白い方がいいですよね。そして僕は自分のセクシャリティを使って笑いを取ることもあります。それって悪いことなのでしょうか?
オネエタレントは差別を助長する?
冒頭でもお話した通り、今多くのオネエタレントの方がテレビで活躍されています。オネエの方を見ない日はないんじゃないか?というくらいのご活躍をされていますよね。皆さん男性が好きなことや、元男性であることを使ってギャグにすることがある。で、例えばはるな愛さんなんかが「大西賢治」という戸籍上の名前を出されたときにギャグにしていると、MTFの人は「みんなああいう感じなんだと思われて迷惑。差別を助長する。やめてほしい」なんて言うことがあるわけです。果たしてそうなのでしょうか?
もちろん、メディアにおけるセクシャルマイノリティの扱いがLGBTに関して誤った認識を与えている面はあると思います。今夜くらべてみましたという深夜番組の中で、能町みね子さんをご本人の許可なく「東大卒オネエ」として紹介した、なんてことがありました。
能町みね子「私はオネエじゃないし、人の名前を勝手に使うな」日テレの番組に激怒-芸能まとめ-エンタメワークス
もちろんこのように本人の意思とは違う形で「オネエ」というレッテルを貼るのは良くないことだと思います。このケースで能町さんがお怒りなのはごもっともです。
しかしはるな愛さんの例でいえば、元男性であることをからかわれても、それを自ら笑いに昇華している。それは、責められるべきことではないでしょう。それを責めるのは彼女の頑張りを責めているような気がするのです。
セクシャリティはネタにしてはいけないのか?
僕は自分のセクシャリティをネタにして笑いを取ることは結構あります。それは僕が「性同一性障害の人=悩んでて暗い人」というイメージを払しょくしたいからです。「あ、なんか面白い人だな」って思ってもらいたい。くよくよ悩んでいる人だけじゃないということを伝えたいんですね。
もちろん僕はいじられておいしいと思う派ですが、そうじゃない人もいます。だから大体いじられた後は「今のこのいじりはガチで悩んでる人にすんなよww」というお断り付きでやっています。笑
笑われることと笑わせることは違う
今回はセクシャリティで考えてみましたが、身体的障害の例もあります。身体的障害を持つ人がただ歩いている姿を見て「動きがヘン」と言って笑うのは侮辱的な差別でしょう。しかし身体的な障害を持つ方が、それを逆手にとって自ら笑いを取る場合。彼らは、意図的に「笑わせている」わけです。これを笑っていけないのでしょうか?
結局のところ、「笑い」とは差別なんですね。ボケのズレた行動に対してツッコミを入れる。これが笑いの構造です。
「扱いづらい人たち」でいいのか?
僕が思うのはLGBTを気遣いすぎている風潮がないか?ということです。そしてそのとっつきづらさは「あの人たち、めんどくさいよね」というさらなる差別的レッテルを生んでしまう。これでいいのだろうか?
時々思います。「僕がこうやってFTMをネタにするのは差別を助長してるのかな?」と。でも、その人たちに与える印象って「FTMとか性同一性障害の人とかってけっこうおもしろいじゃん」だと思うんですね。私はこんな風に悩んできました、つらかったです、そんな話ばっかりする人に近づきたい人はいない。「FTMの人ってネチネチしてるし、気を遣わないといけないことが多いから扱いづらい」と言う人に会ったこともあります(僕はその人のイメージを覆してやりましたが。笑)。だから僕は「笑いをとる」のをやめようとは思いません。
今回の話は賛否両論あるかと思います。皆さんはどのようにお考えでしょうか?
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さて、ここまで言う僕が本当に面白いか気になる方はぜひ僕をレンタルしてみちゃってください。宣伝かよ。笑