LGBTにもう特化しない留学・海外就職情報サイト

2018年2月25日完 パイオニアのご愛読ありがとうございました!

LGBT情報発信サイトを運営している事を公言しない理由〜元女性・FTMと公言しない先輩から学んだ「LGBTは私の一部だが全てではない」事〜

私がパイオニアの運営者ヒロトである事を、パイオニアのメンバー以外は誰も知らない。私の両親、親戚、心友、誰一人知りません。唯一、知っているのは愛するパートナー。でも、彼女も「なんかやってるんだね〜。」というぐらいで私の記事を読む事はありません笑。私はパイオニアのヒロトであるが、それは私の一部であり、全てではない。

LGBT・FTMを公言しない先輩から教わったなりたい自分になる逃げ道をつくらない生き方

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私の1割はヒロトで9割は映像クリエイターであり、留学カウンセラー

前回の記事に書いた、パイオニアは逃げてきた自分と向き合う場所だという事。

【感謝】手術ではなく海外留学を選んだ性同一性障害者ヒロトがパイオニア組織運営を振り返る〜最後に重大発表有〜

私の実体験や想いに興味を示して下さる方、共感して下さる方がいるのはとても嬉しい事だが、それでも尚、LGBTという言葉を掲げ情報発信サイトを運営する私自身を受け止められない時がある。

何故なら、本当の私はLGBTという言葉なんて一切Facebookやin my lifeに登場しない程、自分とLGBTとは一線を引き、生きている人だからだ。私は留学カウンセラー、映像クリエイターとしての仕事と経歴があり、カナダとニュージーランドの現地企業で勤務していたのが私自身であり、そんな私は、たまたまLGBTであったというだけの事。

ヒロトは私だが、ヒロトは私にとってはほんの一部であり、自分のプライベートにおいて周りに知らせるほどの重要事項ではない。私がどういった人物か?それは過去の経歴や属する人間関係からみてもらえば理解する事が出来る。自分の事は自分で語るべきでなく、LGBT・性同一性障害という言葉は私をカテゴリーにいれようとする時に誰かの手によってもたらされる言葉という認識だ。

LGBT・性同一性障害・FTMは武器ではなく逃げ道をつくる言葉でもある

そもそも私が何故、自らを公言しないのか。理由は1つ。LGBT・性同一性障害・FTMは武器ではない。逃げ道をつくる言葉でもあるという事を知っているからだ。

私は高校生という性差が大きく出る時期に男子サッカー部で2年間プレーをしていた。その時、どれだけ筋トレをしても、どれだけ自分を追い込んでも本当の男には敵わない事を痛感した。私は当時、常にベンチプレスを20キロ、胸筋、スクワット、背筋のパンプアップのため持ち上げていた。そして、毎日、部活後2時間の走り込み。帰ってくるのは夜の21時。朝は6時にグランド。その日々を続け2年。50m走も6秒前半。握力も両手50キロになった。

やっとの想いで自分の身体を改造して培った数字。その数字を、筋トレをしていないチームメイトが数名「どれだけのもん、ヒロトやってるの?」と軽々に私が持っていたベンチプレスを持ち上げたのだ。

あの光景はショックだった。あ〜私はこれを持ち上げるのに半年もかかったのに。私はどれだけ自分の肉体改造をしても男のAチームには入れなかった。スピード、スタミナ、全てにおいて女子の頂点を極めたとしても男のBチームのレベル。もともとの骨の太さ、身体つきから生み出せる瞬発的なスピードには敵わない。

自分は男には敵わない。そう思った時に「女である。」という言葉が頭に過る。私はどうせ、女だから。そう自分を守る立ち位置をとろうとする。あれほど、自分は男だと思っていてもいざ、敵わないと思うと「女」という存在を言い訳にしようとするのだ。

サーキットトレーニングという1時間ひたすら腕立て、もも上げ、ステップ、ダッシュを繰り返すトレーニングをA・Bチーム全員でしていた時、「ヒロトも頑張ってるんだから!」と副キャプテンが言った。女の私でもここまでやっている!と皆を鼓舞したかったのだろうが、私はその言葉を言われた時に、女を理由にして一人だけ楽をしようと考えている自分がいる事を知った。ゾッとした。自分の弱さを知った瞬間であった。

逃げ道をつくるためのカミグアウトをしていないか?弱い自分と向き合ってみる

pexels-photo-169215今となってはFTMでもMTFでも海外留学やワーキングホリデーに来る方は多く、ニュージーランドの知り合いでFTMの人がいた。

その方は、自身の職場でサッカーをする事になって元女性=FTMと職場の人に打ち明けました。私はこの時、逃げた(自分は元女だから男のようにプレー出来ない)と自分を守ったように感じました。職場に男のサッカープレイヤーが多かった事もありますが、彼はパス度に拘っていたため、いざ接触プレーで女がばれるのが怖かったのだ。これて女を言い訳にして逃げてるよね?男という機会ロスをしていない?私はむしろ一度、飛び込んでみてはどうかな?て思う。

実際に、社会人になってから海外でネパールやタイ、韓国、ドイツ、カナディアンの国際色豊かな男の中に入りサッカーをしたが、これがすごい良い経験になった。パワープレーやラフプレーが多い男のサッカーが自分にはあってる!と再発見にもなるし、何より、言語は違えどボール一つで心と心の国際交流が出来た感動はたまらなかった。

途中でフランス人の男性が前十字靱帯を切ってしまったので、英語で救急車を呼ぶ事になったが、変にFTMや元女性を掲げ、いざっていう時に逃げ道をつくるのでなく、がっつり男になりきって機会ロスを防ぐ事は、今までにない体験が得られて楽しい事だった。

元女性という事で男性としてサッカーをする機会を自ら絶った彼はニュージーランドからまた別の国へ行った。なんのために彼は手術をしたのだろう?心は女性のままで、弱い自分を隠し都合よく自己解釈して生きていくためなのか?

自分で男!こうあるべき!と決めたらそれを周りに語らず、自らの言動で説得させる事も出来る。そういった人もいる。

元女性である事を一切公言せずに男として大手一般企業に勤めている高校の先輩

え?あの先輩が?男の人と付き合っていた2つ上のサッカーの先輩が女から男になった。その先輩は自分のFTMへの変貌の過程をブログに綴っていたが、女として入学した国立大学を男として卒業し、大手一般企業に就職した際、ブログを閉鎖した。そして、今でもFacebookの友達だが、一切、LGBT・FTMという言葉をタイムラインで語らない。

先輩は、女である自分が嫌だったから手術をしたのだ。女である自分が受け止められないで手術という身体のリスクを知ってまで、大学時代稼いだお金を全て手術に費やした。そんな先輩が今更、元女性である事、FTMである事、語る必要なんてないのだ。

胸を張って、男として生きている姿をみて私はカッコイイなて心から思った。彼の周りにはいつも男女共に友達で溢れている。それは彼がLGBTといった存在だからという事ではなく、性同一性障害でFTMで苦労したから共感で友になったわけではなく、彼自身の人間力、魅力で集まった友なのだ。

本当に今の自分に満足出来ていれば、なりたい自分になれていれば自分を語る上でLGBTやFTMの言葉を掲げる必要はないのだ。FTMやLGBTの輪にあえて身を置く事もない。先輩は知っている。自分の弱さを。だから、FTM、元女性と語ると居心地が良く、内輪だけで自分を留めてしまう事も分かっていた。だからその輪から出る。あえて、自分という人物、個性で生きていく道を選ぶ。自分がした事が全て自分に返ってくる男として社会的責任を追う生き方を自分に課したのだ。会社の同僚を通して、新しくトライアスロンや英語の勉強会を始め、自分の人物力を磨き、人を引き寄せている先輩は、お涙頂戴、過去の苦労話を自ら語る時間もない。語るのは自分の夢。これからしたい事。先輩の過去ではなく、先輩の現在の言動が先輩を男だという事を証明していた。

まとめ

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FTMである事、LGBTである事を公言する事は、全ては共感を得たい、認めて欲しいという承認欲求があるのかもしれない。それは今まで誰にも認められなかった辛い心の傷や体験があってこその反動だと思うが、公言する事は美学でもありませんし、カッコイイ事でもありません。むしろ私からしたら、やっぱり見た目だけ男で心は女性なんだなぁと、言動によっては、女性としてしかみれない事もある。当事者からしてもせっかくお金を費やし、リスクを起こしたのに女性の自分を定着させる事は好ましい事ではないだろう。

人それぞれだと想います。公言するかしないか。ただ、私は何故、FTM・性同一性障害・ゲイであるという事を口にするのか本当にその必要があるのか?無理していないか?変な使命感を感じていないか今一度考えないといけないと思っています。みんながカミングアウトしていても、それはどういったカミングアウトなのか?カミングアウトの根底の想いに目を向ける必要を感じています。認められたい。悲しい。寂しい。友だちがほしい。目立ちたい。すごいて思われたい。苦労したて同調してほしい。根底の想いはどんな想いがあるのでしょうか?

私たちパイオニアもLGBTという言葉を掲げて活動する事について考えます。「LGBT専門留学のパイオニア」そうキャッチーなフレーズを掲げる事でLGBTで海外留学といったらパイオニアだ!と、覚えて頂いたり、興味を持ってもらったり、繋がりを得られたりする事も確かです。ただ、それで満足はしていません。その言葉を掲げて得られるものが私達の人生の全てではないと思っています。

外見ではなく、人物力を重視する事。そして、道がないなら道を創る、新しい生き方やライフスタイルの追求。手術という一本化される生き方ではなく他にも選択肢がある。あくまでもLGBTは私たちの人生ではなく、個性の一部です。

【新メンバー】カナダからこんにちは!ブルーハーツ好き情熱の真っ赤な薔薇こと「Coco」の自己紹介

情熱溢れる彼女の勇姿に釘付けです。新生パイオニア、今後とも何卒、宜しくお願い申し上げます。

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