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2018年2月25日完 パイオニアのご愛読ありがとうございました!

【本当はカミングアウトさえもいらない】同性愛への偏見がある世界のアウティングから逃げてきた私が海外で思う日本のLGBT認知の限界〜変わるべきなのは社会、制度ではない、私自身だ〜

2016/10/13

今回の記事は私の過去体験に基づくものであり、現在、アウティングが問題視される某大学生自殺の事件、それに伴い発足したプロジェクト等への直接的な見解ではない。私自身、まだまだ未熟者です。それでも事実を伝えたい。日本の外にいる自分に言い聞かせる意味でも。そんな思いをもってこの記事を書きます。

本当はカミングアウトさえもいらないのに。そろそろLGBTの理解と認知の限界を感じた方が良い時だ

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LGBTという言葉の認知ではない、理解ではない、次の段階に来ているという事に気付いている人はどれくらいいるのだろうか?どれだけLGBTの言葉が浸透しても、理解があっても結局、根本的には変わっていない。何が変わっていないか?世界でもなく、制度でもなく、あなたでもなく私自身だ。

何もしてあげられない己の無力さと未熟さ

某大学生のアウティングによる自殺の記事を読んだ。当事者としてどういった背景だったのか、家族の視点の記事ではあるが、この事件を知った時、皆さんはどう思っただろうか?

一橋大・ゲイとばらされ亡くなった学生 遺族が語った「後悔」と「疑問」「これはゲイを理由にした、いじめと同じだ」(by 渡辺一樹 BuzzFeed News Reporter, Japan)

私は率直に、なんで自分がもっと早く海外という選択肢を与えられなかったのだろうと、とにかく自分に嫌気がさしました。周りに理解を!社会制度を!と、いう事は私みたいな未熟ものにはおこがましくて相手に求める事は出来ない。でも、私は相手に求める前に、自分に求め続ける事で、今、自分に見合った、背伸びする必要もない、自分に嘘をつく必要もない海外へ辿り着く事が出来た。

周りは変えられないが、自分は変えられる!日本で多くのいじめ、アウティング、差別を受けてきた。でも、それをただただ受け入れる事しか出来なかった。だから、私は自分が幸せに生きていくためには?愛するパートナー、家族を同じ目にあわせない、堂々と手を繋いで道の真ん中を笑顔で歩くためには?と本気で自分と向き合い同性婚が可決されているニュージーランドへ渡航した。

ここへ来るまでは、それはそれは敵をつくる日々だった。海外=目には見えない世界。バンクーバーで現地会社に正社員として働いている時でさえも、私は一切、家族から祝福されなかった。

「いつまで遊んでる?」「あいつはダメだ。」「良い加減良い会社に入れ。」「俺は部長だからこういう幸せな人生を送れたんだ。」そんな会話が私がその場にいない、親戚の集まりで行われた。私には姉がいる。その姉が親に「あいつを説得させろ。」と、私の生き方、今いる道を完全否定した脅しにも近いメールを送った事もあった。

私には誰一人、理解者はいなかった。LGBT当事者としての幸せ、生まれた瞬間に諦めないといけない結婚をする事であったり、実は最低限な幸せで十分なのだ。お金持ちに成りたいとか、良い会社に入社したい!そういった事が私の幸せではない。ただただ私の幸せは普通に自分らしく生きる事。

LGBT当事者と社会の幸せの認識の異なり

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何故、私が海外へ同性結婚しに行く事が祝福されなかったのか。彼ら、私の家族にとっての幸せは、有名大学卒業して、有名企業入社して、終身雇用で安定した人生を送る。私の幸せなんて、そもそも彼らの幸せの枠には埋め込まれていないのだ。結婚して家庭を持つ事は当たり前の事だから。今の時代に終身雇用を信じるなんて呆れて笑ってしまうが、彼らはそれを幸せと考え、ずっと死ぬまで追い続けてきた人たち。そんな人たちが、私がただ好きな人と結婚したい!家庭をもちたい!と言った所で、はいはい、で会社は?で給料は?そんな返答が返ってくるわけです。

だから、相手に理解してもらう事なんて私は端から思っていません。誰かに理解してもらうために自分の人生を送ろう!幸せになろう!なんて思っていません。私は自分が心から自分を理解出来ればそれば良い。そう思って、今も尚、海外で自分の生き方、幸せを追求する事にしています。

正直、相手に求めている時、分かって貰おうとすれば頑張るほど、辛かった。じゃあ仕事で認められれば良い!と、出版した英語教材がAmazonでベストセラーを取っても、そんな一時的なものと誰も認めてくれない、虚しい現実。どこまで頑張れば良いんだ。自分を追い込んで、あの時期は本当に何しても楽しくなかったです。

有名大学を出て、有名企業に勤めて、部長や課長まで上り詰め、そういった世界でしか生きてこなかった家系に、私の生き方を分かる人はいないのです。

人は自分が経験した事からしか物事を理解する事、伝える事しか出来ません。だから、どれだけ海外で業績を残しても、お前の役職は?福利厚生は?ボーナスは?日本基準で話が進みます。

そんな人たちに分かってもらった所で、結局嬉しくない。上辺だけ分かったフリは出来る。でもそれが明らかになった時、傷つくのは自分だ。

家族が大事だからこそカムできない―祖母の死とカミングアウトの話

だったら、そんな人たち・世界と関わらないで良いじゃん

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今でも私は親戚とはある一定の距離を置いています。トラウマですよね。あんなに大好きだった親戚がみんな揃って私の批判をしているわけですから。あんなに昔、仲よかったからこそ。誰か一人でも、「良いじゃん。HirotoはHirotoの人生なんだから。」て言ってくれる人がなんでいなかったのだろう。悔しくて、苦しくて、やりきれない想い。私はそれから2年も、親戚と距離を置きました。親戚にあうと、思わず「何で理解してくれないの?」と求めてしまう自分がいたから。それを誰かに求めては虚しいだけのに。分かっているのに、私は弱いから。

だから、良いんです。私は私で。そう想い、逆に親戚が私の生き方を否定して私自身から距離を置こう!と出来た事で私は少なからず生きやすくなりました。まず、自分に自信を持てるようになりました。自分の人生を肯定的に考えられるようになった。

だから、今では私を罵ってくれた親戚一同に感謝している。でも、それも最近になってだけどね。ここまで来るのに時間はかかりました。時がどうにかしてくれる。そういう事もあるのだから、長い目をみて構えてみるのが良いと思った。

私の生き方=私自身。私の存在を否定するような人たちと一緒にいても「出来ない。」「無理だ。」という話を聞かされ、まるでお前の思った通りに生きなければいけないのか?と操り人形の人生になってしまうだけだ。

一旦、海外生活、海外勤務、愛するパートナーと共に!て、華やかな世界にみえるでしょうが、私は私で苦労を背負っています。人間誰でも苦労、悩みはあります。でもそれをみせるか、みせないか、分かってもらおうとするか、しないか。それだけの事。みせる必要は特にないよね。自分が分かってればそれで良い、と、私は思う。

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まとめ

あ〜なんで自分はもっと早く彼に世界という新しい道を提示出来なかったのだろう。制度か?社会か?いや、一番の問題は彼に手を差し伸べれなかった私だよ。同じLGBT当事者だからこそ、出来たよね?もっと早くパイオニアを立ち上げ、情報発信サイトを大きくしてれば彼の元へ届けれたかもしれない。

私は、外から日本をみた時に初めて、世界の広さを知った。世界には学校に行かなければ行けない世界があって、学校に行かなくても仕事を選択出来る世界もある。自分にあった世界が必ずどこかにある。その世界を知って、その世界で生きるという事。今では簡単にネットで情報を入手出来る世界だから、本当なのか?耳を疑いたくなる情報もあるが、結局、百聞は一見に如かず。自分の目でみて経験しないと分からない。

経験を自分で得る事ばかり考え、誰かに経験を与える事が出来なかった自分の無力さが悔しい。自分に腹が立つ。私はLGBT当事者だからこそ、LGBT認知ではない更なる次の施策が必要だと痛感した。

私はLGBT当事者として海外在住しているからこそ、選択肢を与えられるプロジェクトを充実させなければならない。

一番支えてくれた親戚に裏着られたあの日。それに葛藤した2年間。でもそれが全てではない。私は私で、私にしか創れない幸せがある。そう想うと生きる事がワクワクする今。この今を私は一体、どれくらいの人と共有出来るのだろうか?

LGBTという言葉で1つ括られても、そこには何千人の人生や想いが存在します。それを1つに括る事自体、私は嫌気がさしています。中には「自分て何ぞや?」「多分、性同一性障害なんだけど、認めたくない。」そういう人だっていくらでもいます。カミングアウト出来る世界へ!カミングアウト受け止めよう!いや、むしろカミングアウトさえする必要がない世界はある。そこに逃げて良いと思う。逃げる事も1つの勇気だ。

最後に一言

カミングアウトをしても、しなくても、私は私。

P.S.タイトルを含めご不快な思いをさせてしまったら大変申し訳ございません。

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