イベリアの片隅で細々と生きてみる。新メンバーまさる、三十路ゲイの幸福論

2016/10/27

はじめまして、まさる(Masaru)と申します。今回ご縁があり、こちらパイオニアで記事制作をさせていただくことになりました。まずは初回ということもあり、難しいことは抜きにして自己紹介をさせて頂ければと思います。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

ゲイの幸せ探しは難しい

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歳を重ねると、色んな自称に理由漬けをしたくなってくる。なんで自分はゲイで、なんで自分は生きているのか?そんな答えのない問題提起を起こしても、結局自分の存在意義は見つからない。

大学卒業後にカッコつけて新宿二丁目で働いたりもした。汚い人間の欲望にまみれた部分、ボーイ同士の妬み・嫉み……きっと普通に生きていたら見られなかった、人間の本質を見た気がした。そんな時ふと思った、ゲイであるから幸せの片鱗を見つけられないのかなって?

でもさ、幸せなんて十人十色でしょう?美味しいご飯を食べて、雨風しのげる場所さえあれが幸せという人もいれば、億万長者なのにココロにスッポリ大きな穴が空いてる人もいる訳で。結局幸せ探しの旅路の末に行き着いたのは、どこにでもない場所。

そして幸せの定義付けなんて必要ない、自分の歩んだ人生そのものが幸せに繋がると分かったのが20代後半だった。そう、私の遅すぎた青春時代の幕開け。

放浪の挙句

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いつからだろう、日本の外側に自分という未来像を見出し始めたのは……新宿二丁目、ベローチェの窓際で頬ずえついては悩んだ日々。

「きっと自分を愛してくれる人は日本にはいない。」

「海外でもう1度勉強をしてみたい。」

人生の起点は意外に突然やってきて、まだまだ若かった自分は欧州の真ん中の某国に留学を決心。借金は返済したし、失う物はもう何もない。日本で骨を埋められなくても問題ない!そんな強い気持ちで望んだ海外留学。

アメリカでもイギリスでも、カナダでもない、日本人なんか誰一人と住んでいない街、クラスメートにアジア人が埋もれる疎外感。

街を歩けば罵倒され、野犬に追い回される日常はしばし私を悩ませ、だけど弱い私を打たれ強くもしていった。

色んな苦悩の波にさらわれたけど、なんとか大学のコースを終了。そこから私はあるドイツ人男性と恋に落ち、人生で最大の暗黒時代を欧州で過ごすことになるのだ。

大恋愛の末

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大好きなヘイコ。思えば思うほど苦しくて、逢いたくても逢えない距離感が余計私の儚い愛を加速させた。学生時代に成績が落ちた要因は彼のせい。碧眼・金髪・完璧な歯並び・流暢な英語と高学歴を誇り、ルックスはブラッド・ピットそのもの。やんちゃでプレイボーイな性格は私を狂わせ、そして嫉妬の渦に落とし入れたのは言うまでもない。

大学卒業後に彼に会いに行く為に、ドイツに向かった。しかし彼は現れなかった。連絡も取れなかった。そっと頬を伝う涙は少し酸っぱくて、初めて味わう失恋の味だった。因みにその彼はアメリカで銃刀法違反で逮捕され、拘置所にいる。後にそんな噂を聞いた、でももういい。あんな恋愛はもうイラナイ。初恋で人生の終わりを感じた、そんな恋愛ごっこ。

新天地カナダで運命の出会い

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欧州留学から一時日本に帰国したけれど、やっぱり閉鎖的な日本の社会に適応できなかった。大好きだった東京も、ココロの故郷新宿も全てダークグレイの世界にしか見えなくなった。

「日本で生きて、そして最期を迎えたくない。」そっと誰かが私に呟いた気がした。

そして私は無けなしの2000ドルを握り締め、ワーキングホリデーを利用し、トロントに旅立つ決心をするのだ。移民の国カナダで私はマイノリティーからマジョリティーに変身した。どこを歩いても凝視されない、偏見がない、留学時代に味わった苦悩はカナダには存在しなかった。

毎日のバイトに英会話の勉強と多忙な日々を送る中、私はある男性とネットを通じ出会うことになる。馴れ初めはいずれまた……それが現旦那のホセである。

年上しか愛せない私が出会った最愛の伴侶は、2つ年下の若干頼りないスペイン人。運命のルーレットはいつ動き出し、そしてどこに向かうのか分からない、だから面白くそして辛いんだろうな。

スペインで見つけた小さな幸せ

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東京やトロントみたいに便利じゃない。土壌とオリーブの香りしかしないスペインの地方都市に腰を据えると、時々スリリングで命の危険すら感じた過去がどこか懐かしくなる。

もしもあの時あの決断をしていなかったら、どうなったんだろう。頭ん中を色んな経験がグルグル回る。

ささやかで平凡で、だけどとても幸せな旦那との生活は、私という小さな人間の人生を大きく変えた。結婚が全てじゃない、結婚なんて形ばかりのもの。だけど目には見えない愛の形を同性結婚で枠組みしたからこそ、今の私がいる訳だ。

今はもうお金の心配も、病気の心配も、そして自分という魔物に苛まれることは無くなった。小さくて、つまらなくて、仕事もエンタメもない街だけど、大きな旦那の存在に包まれて今日も一日が終わっていく。なんだかスッポリとドサ袋に収まったジャガイモになった気分である。

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