新メンバーMasaruの身も蓋もない独り言②海外を目指す理由
日本ではLGBT旋風が巻き起こっているような気がする昨今、だけどやっぱり日本は我々LGBT当事者にとっては住みづらいものなのかもしれない。でもその裏を返してみると……。
人が生きる道
人が生きると書いて人生。志半ばに短い生涯を閉じるものもいれば、「死にたい、死にたい」と言いながらなんだかんだ長寿を全うするものもいる。人生論を語り出せば、それはそれは長くなるので省略する。ただ人生で最も大切なのは人との出会いそして自分の再発見なのだと、私は勝手に思っている。
あれがほしい、これがほしい、お金もある程度なければ生活出来ないし、それなりに生きる術は兼ね備える必要はある。ただ人の生活において、最低限の幸せは大金に依存しない。例えば月給20万でも慎ましくそして堅実に節約していけば、美味しくご飯も食べられて年1回旅行だって出来るわけだ。恋愛や愛の形だってそう、私達LGBT当事者の出会いは少ないのは事実だが、少しの勇気と行動力で視野を広げれば、出会いなんか意外と身近に転がっているものだ。人生ないものねだりというが、隣の芝生を気にしてもそこに幸福の種は落ちていない。前置きが若干長くなったが、要は人生を面白くもつまらなくするのも自分次第。ただ私がそうであったように、日本のような島国根性丸出しの閉鎖された世界にいると疎外感を感じる方も少なくないと思う。だって自身の性癖が好奇の目で見られるのって、やっぱり嫌じゃない?
時には環境を変えることも大切
学校、職場に家庭環境、幸せの羅針盤を左右するのは、時に環境でもあるのだ。私は以前30も年上の年配女性とルームシェアをしていたことがある。私がゲイであることをある程度理解しつつも、
①男を連れ込んではならない
②家の中でそれ関連の話題は禁止
という厳しい家庭内ルールが施工され、なかなか戸惑ってしまったものだ。最近というか約1年前に偶然彼女のHPを発見し、5年以上ぶりに連絡を取った。「懐かしい、いつかもう1度会いたいな。」的な内容だったと思う。しかし彼女の答えはNO。会わない方がお互いの為、やっぱりゲイとかって理解に苦しむ点があるからだそうだ。大切な20代の青春時代を少しの間といえど共に過ごした彼女の言葉は、30を迎えた大の男を傷つけた。
スペインではカナダではゲイ・レズビアンであることは、なんら障害にもならない。人としての器を図る指標は性的嗜好ではなくて、その人間の人となりでしかありえないのに……人との出会いは財産だというけれど、それは正解でもあり不正解でもあると思う。海外30ヵ国以上回って自分がゲイであることを悔やんだ国は、結局某東欧諸国と日本だけであった。
海外で見つけた大切なもの
どうにもならない差別や偏見は私個人の言動だけではどうにもならない。石を投げつけなれたり、汚い言葉で罵られたりもした。だけどこれらの経験も全部ひっくるめて、海外での生活は私という小さな人間を少しだけ大きくしたのも事実。これから海外を見てみたい、海外で就職して視野を広げたい、と海の向こう側に壮大な夢を見ている方に言いたいのだ。日本にいても、苦しい時は苦しい、でもあなたの故郷には変わりない。だけど自分の幸せは遠い海原の向こう側に転がっている場合もあるということ。
まとめ
ゲイもレズビアンも区別されない幸せを過ごす平穏な毎日、仕事もエンタメもない小さな街で暮らしている私が、時々見失ってしまうもの。それはそんな日々への感謝。スペインの寒くて暗い凍えそうな夜更けにしばし思う。あの時思い切って留学してみてよかった……と。夢は破れたけれど、私の小さな幸せと向上心はこれからも細く長く続いていくのだろう。遥かな目標を糧に海外を目指す人達へ、つい考え塞ぎ込んでしまうこともあるけれど、時に行動力と直感こそが幸せのカギになっていくということを忘れないで欲しい。