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2018年2月25日完 パイオニアのご愛読ありがとうございました!

こじらせFTMがこじらせと恋愛市場での生き残りについて考えてみた

こんにちは、ジャンです。今日は12月24日、クリスマス・イブです。赤と緑ときらきらの街を行くカップルに嫉妬心を燃やしながら、鼻息荒く「仏教徒には関係ない」とか「企業の商業戦略に踊らされるなんて馬鹿げてる」だなんて、穴があくほど使い古されまくった常套句を用いて憤慨する気力などもはやなし。今日も家に引きこもってタイ語の勉強と読書にいそしんでいるのであります。そんな僕は「こじらせ」なのでしょうか?そしてそんな僕はどんな女性となら赤と緑のきらきらの街を歩くことができるのでしょうか?

「こじらせ」って?

少し前に「こじらせ女子」というワードが流行しました。2013年の流行語大賞の候補にもノミネートされ、話題となったワードです。

こじらせ女子とは、女性としての自意識は高いが、行動や結果がともなわなず、女性像をもつれさせている女子。

自分の女子力に満足できなく、「どうせ私なんて……」と、劣等感、非モテなどのネガティブな感情を強く持ち、自分とどう折り合いをつけていいのか悩んでいます。
ルックスは関係なく美人だけどなぜか上手くいかない こじらせ女子もいます。

ことまとめ「こじらせ女子」より引用

流行のファッションや恋愛に疎く、自らの女子力に満足しきれていない女子のこと。

AVライター・雨宮まみの著書『女子をこじらせて』から話題になった。

はてなキーワード「こじらせ女子」より引用

ふむふむ、なんとなくわかるような気がします。さらに調べると、きょうは会社休みますのHPにも書いてありました。

  1. 自分の中の女子力に自信が持てない
  2. 他人まかせ
  3. うたぐりぶかい
  4. 甘え下手
  5. 敵は天然モテ女
  6. 学生時代の人間関係にトラウマがある
  7. 寂しさに慣れている

きょうは会社休みます。公式サイトより引用

そして「こじらせ男子」なるものもいるようで。いろいろな記事がヒットしました。

経験が少なくて恋愛ベタな「こじらせ男子」の特徴と落とし方

ギャ~キモすぎる!「こじらせ男子」のありえない思考4パターン

(↑タイトルひどすぎるだろ。笑)

で、半年くらい前に僕は思ったわけです。

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「こじらせ女子がいてこじらせ男子がいるなら、こじらせFTMもいるだろ」

通常、FTMはモテるらしい

こじらせFTMの定義をお話しする前に、まず大前提として、FTMが割かしモテるのだということをお話したいと思います。

昔何かの記事で読んだのですが、FTMで彼女がいる人の割合は、シスジェンダーの男性で彼女がいる人の割合より高いのだというのです。なんてこった。どんな統計の取り方をしているのかまで見ていないので怪しいとは思いますが。

ただ確かに、僕が出会ったFTMの中で今まで一回も彼女がいたことがないというFTMはいません(僕を除いて)。僕の男友達よりも経験人数が多かったりするくらいですから。中性的な見た目、優しさ、普通の男性にはない部分などが魅力的に映ってもおかしくはないでしょう。特に若いうちはFTMは女性との距離感も考えるとモテやすいのかもしれません。

そこでこじらせたFTM(というか僕)は思うのです。「いやいや元女を使って距離縮めていくのはどうなんですか」と。

こじらせFTMの定義

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僕が考えたのは以下の通り

  1. 頑張って男(漢)になろうとしてない
  2. 恋愛は自分には無関係だと思っている
  3. 本物の男じゃない自分と付き合うよりも本物の男と付き合った方が幸せだと女性の幸せを一方的に決めつけている
  4. 群れるFTMが嫌い
  5. 自分はほかのFTMとは違うと思っている
  6. 女性にカッコいいと言われるのは100%社交辞令だと思っているので嬉しくない
  7. なんならかわいいの方がまだリアルさがあって喜べる
  8. 本物の男だったら…と不毛なことを考えるが実際そうだとしてもお前はこじらせ男子だ
  9. 元女子であることを使って彼女を作るFTMをずるいと考える一方で、自分はそれを使っても彼女ができないだろうとうすうす気が付いている

これ、6月ごろの自分メモを見ながら書いているのですが、とても心が痛いです。めちゃくちゃえぐられます。客観視が怖い。恋愛で成功体験がないとこういうことになってしまうわけですね。我がことながら恐ろしいです。当てはまった数が多いほどこじらせが酷いということになります。

だからこんな記事を書いちゃうんですね。

彼女いない歴=年齢のFTMの僕が最近悩んでいること。

こじらせFTMの思考回路

6.で書いた通り、そして以前も書いた通り、僕はカッコいい人扱いされるのが非常に苦手です。

FTMはカッコいいと言われて嬉しいのか?性同一性障害の僕が言われて嬉しいこと、嫌なこと。

滅多にされないからということもあるのでしょうが、その奥にある「うん、大丈夫!ちゃんと男の子に見えてるよ!うんうん!」というお気遣いに息が苦しくなってしまうんですね。もうほんっとに嫌な奴かもしれませんが、そう思ってしまうわけです。め、めんどくせ~!

FTMがお付き合いするには?

そんな僕も、今まで一度も女性から好意を寄せられたことがないというわけではありません。それでもやはり、自信が持てない。最近、ブサイクは、「ハワイに行きたい」と答える女の子は諦めろ【能町みね子✕マンボウやしろ】 という記事を読んで、僕がなぜ女性に対して自信を持てないのか、ぼんやり考えていたことがはっきりしました。(以下引用部分はすべて上記記事より)

僕が、ああナルホド、と思ったのはこの部分。

やしろ そうです。この本のなかでも書いている持論がありまして、世の中をものすご——くザックリ2つに分けるなら、東洋の哲学で生きる人と西洋の哲学で生きる人になる。ブランドが好きだったり、カクテルが好きなのは西洋側。ブサイクはどちらの哲学で生きるべきかといえば、つまりは東洋哲学だという教えを説いていて。その前提があるうえで、この本で人間を3タイプに分けているんです。それは、

①男に生まれて男として生きる人。
②女に生まれて女として生きる人。
③人間として生まれて人間として生きる人。

①×②の相性はいいんだけど、③のタイプは③同士でしか合わない。①×③とか、②×③はうまくいかないんですよ。それも分かってきたのが大きい。

そう、これなんです。

全てのFTM、延いてはセクシャルマイノリティが③に当てはまるわけではないと思いますし、①や②的なセクシャルマイノリティもいると思うのです。が、僕は圧倒的に③ですし、③の女性としか気が合わない。こじらせ女子、こじらせ男子もたぶん③の人間。僕は②の女性を恐れているわけです。

僕はFTMだからこじらせた、という部分が大きいと思っています。こんなこと言うとどっかからお説教されそうな気もしますが、自分のセクシャリティに関して悩んだことによる歪みのようなものは割とあるからです。ただ、今はその「歪み」が悪いものだとは思っていません。

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この対談の冒頭の紹介文には

「ブサイク」という一点だけで、これまで辛酸を嘗めてきたマンボウやしろさん。特に恋愛市場で不利なブサイク男子は、どんな異性を狙えばいいのでしょうか?

と書いてあります。これを少しを変えると

「FTM」という一点だけで、これまで辛酸を嘗めてきたパイオニアのジャンさん。特に恋愛市場で不利なこじらせFTMは、どんな異性を狙えばいいのでしょうか?

なんかしっくりきました。

この問いの回答が③人間として生まれて人間として生きる人。だということになります。対談の中の言葉を使って言うのであれば、恋愛市場で生き残りたいなら「冒険心のある女の子」を捕まえろということになるでしょう。

やしろ ブサイクが狙っていいかどうかのベースになるのは冒険心だと思うんですよね。「日本酒を飲んでいる子の隣に」の項でも書いたんですけど、日本酒に手を出す瞬間ってどこかで冒険心が必要で。その冒険心を持っている女の子じゃないとブサイクはなかなか厳しい。

能町 女の子は女の子でコンプレックスも強かったりしますから。別にスゴくキレイな人でもものすごいコンプレックスを持っていたりする。そういうコンプレックスを持っている子のほうが冒険しているイメージがありますね。

とくにコンプレックスがなく、見た目も中身も標準的に生きてきた子は逆に保守的というか、特別なところにあえて手を出さないイメージです。特別なことをする必要がないので。何かしらかのコンプレックスを抱えている女の子のほうがいろんなことに挑戦するし、ムチャもするし、いろんな男の人を好きになってみるんじゃないかなと。

うーん、とてもよく分かります。そういう点で言えば青年海外協力隊なんかに行こうとする女の子は(そして男も)、③のタイプなのでしょうね。

また9.で言及した、元女子であることを使って彼女を作る(ないしはいい思いをする)というのも悪いことではないんだと思います。使えるものはみんな使いましょう。そう思えてきたのは徐々に年をとってきたせいかもしれません。協力隊の訓練所で学びました。

結論はない

で、あるからして人間力を磨くことこそがモテにつながるのだよ!なんてお説教をしたいわけではありません。なんなら今日の記事には(も)結論も主張も成果物も意味もないのです。僕がただ思ったことをただ書いただけ。ただ強いて皆さんに伝えたいことがあるとすれば、この寒い季節、心はこじらせても体と風邪はこじらせるな、ということでしょうか。

さて、聖なる夜がやってきます。メリークリスマス。

 

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-FTM, Jan, LGBT人生, LGBT結婚, 性同一性障害