き、きたー!これが偏見の目か...?とカナダ生活で感じた時
2017/08/20
こんにちは、Cocoです!移民の国カナダ。人々のフレンドリーさが感じれる国カナダ。そんな場所で普段生活をする中、私が日本人であることで差別や偏見を感じる事はほとんどないと言えます。とは言っても、差別や偏見が全くないわけではありません。
これだけの人間がいるのだから、人々の心の内側に差別や偏見が全くない場所なんて存在しないのでしょう。今回は私がカナダで差別、偏見を感じた体験談です。
酔うと本音が出るっていうけどさ…
昔の職場の同僚、エミリーと2人で他の同僚たちを待っていた時の出来事。
場所はダウンタウンの道端。夜の8時頃、平日と言えど飲みに行くのか家に帰るのか、人々で溢れかえっています。これから久しぶりの飲み会でゴキゲンな私達は歌なんて口ずさみ、ノリノリ。
ん?こっちにどんどん近づいてくる若い女性2人組。
「ブロンドの長い髪がキレイだなー」なんて悠長に見惚れていた私でしたが、私たちの目の前に来たキレイな彼女たちの口から思ってもいない言葉が飛び出ました。そして彼女たちは私だけに向かって、私の目だけを見てこう言いました。
「このクソアジア人、さっさと国に帰れ!ピーピーピー!!!!!!!」(ピーの部分にはあまりにも汚い言葉が入ります。)
美しい彼女の顔は私の数センチ前、漂うお酒の匂い。ベッロベロです。私は彼女に罵られてる数分の間、必死に言い返す言葉を探してみましたが、頭が真っ白で何も出ず。
すると一緒にいた私の同僚エミリーが「おいこのクソ野郎!お前がピーでピーでピーだろうが!さっさとママのところへ帰りな!」とブロンドさんたちに叫んでくれました。
立ち尽くす私、叫ぶエミリー、ベッロベロのブロンド2人。そして何やら悪態をつきながら去って行くブロンドたち。
正気に戻った後、怒りと悲しみが湧いてきましたが、エミリーが涙目でビックなハグ(タックルに近い)をしてきてバランスを崩し倒れ込む私と彼女。
そこに待ち合わせていた同僚たちがやってきて、彼らはハテナ状態。
怒りや悔しさはエミリーの大きな愛とタックルのおかげですっ飛んでいき、私は救われました。
あからさまな偏見を初めて味わった夜でしたが、エミリーと良い酒を組み合わせた素晴らしい夜でもありました。ありがとうエミリー!!
某有名チェーン店のカフェで…
これは私が初めてカナダに日本の大学からの留学で訪れた時の話です。
語学学校から出される毎日の課題は山積みで、学校が終わればすぐに図書館で課題、その後もカフェに行って課題に取り掛かる毎日でした。
この頃の私の英語力は酷いものでしたが、コーヒーを注文するくらいの短い英文は完璧に暗記していましたし、どこのカフェでも、注文くらいはすんなり出来ていたはず。
その日もいつものようにコーヒーを注文したのですが、店員さんは何度も何度も聞き返してきました。そして深い溜め息を付いてコーヒーをカウンターにガン!と音が出る勢いで置きました。
「き、機嫌が悪いのかなドキドキ…」ってなくらいに受け止めていた私ですが、見ていると他のお客さんには笑顔で対応している彼女。
「ま、いっか」と気を取り直して課題の本を読んでいたら、唇がかっさかさで痛い。寒い雪のバンクーバーにやられ、ひび割れた唇が「早く、今すぐ保湿をしてくれー!」と叫んでいました。
私はポーチからリップクリームを取り出し、唇をいたわってあげました。
するとさっきのご機嫌斜めな店員さんがツカツカとやって来て、こう言いました。
「店の中でメイクアップなんてしないでくれる」
当たり前ですが、私は決して大きな鏡をテーブルに出し、メイク道具を並べ顔面にパタパタと粉をはたいていた訳ではありません。リップクリームを塗っただけ。
別に彼女は「アジア人」に対して偏見を持っていたわけではないかもしれません。
何かでイライラしていただけかもしれません。しかしこれが「英語が話せなさそうな人」ではなかったら、もし私が格闘家ばりに鍛え上げた体を持っていたら。はたして彼女はそんな態度をとったでしょうか。
八つ当たりする対象にちょうど良かったのが、「自分より弱そうな相手」だったのだと感じました。
そしてもうひとつ、英語に自信がないことで、私自身も「自分は相手より弱い」と認めていました。きっと。
無意識なんだと思うけど…
道を歩いていて、変なおっさんが「日本人?韓国人?」「コンニチワー」などと、初っ端から「外国人」だと決めつけて話しかけてくることはよくあります。
アジア人でも、カナダで生まれ育った人がたくさんいるのに。ここで生まれ育ったアジア人の人にそんな声のかけ方をしたらこっ酷く叱られるはずです。
特に移民の多いバンクーバーで、人の見た目だけでなに人と判断するのは時に失礼にあたります。
そんなバンクーバーのダウンタウン、ヘアケアグッズが売っているお店でのこと。いつもは買わないちょっと高いヘアトリートメントを買っちゃおうとウキウキ店内を物色し、商品を購入しにレジへ。
店員のお姉さんはニコニコと愛想の良い人。ちょっとした世間話の後、商品を私に手渡すと共に「シェイシェイ」と言いました。
私を中国人だと思いこんでいたのでしょうね。私は「センキュー」と返事し、お店を出ました。
きっと彼女にはこれっぽっちの悪気もないのだと思います。実際にすごく良いお姉さんでしたし。その定員の人柄ととびっきりの笑顔から、彼女は良かれと思って言ったんだなというのが伝わったので嫌な気分にはなりませんでしたが、なんだか違和感は残りました。
もしこれが愛想の悪い店員さんの言葉なら、もっと怒っていたでしょう。
最後に
冒頭でも言ったように、きっと人々の心には無意識に偏見があるものだと思います。
もしかしたら昔〇〇人に何かをされてから嫌いになったとか、今まで出会った〇〇人の印象が悪いとか、小さい頃から親に〇〇人はあまり印象が良くないとか言われて育ったなど、色々な背景もあるかもしれません。
もしそうだとしても、いつどの環境でそんな彼らの内側にある偏見がなくなる可能性はあると信じたい。もしそんな彼らのこれから出会う、例えば日本人がすごく良い人だったら。彼らの気持ちに変化があるかもしれない。
なので、これからそんな偏見に出会ったら、反対に彼らの偏見心を180度変えてしまうような態度をとってやろうと思います。
偏見にあっても怒り散らさず(本当は腸煮えくり返っていても)堂々としていたほうが彼らにとってもダメージが大きいと思うのです。まさに仏の心です。
とは言っても、凝り固まった人の考え方をいきなり変えるのって難しい。せめて自分ができることはなんだろうと考えたら、自分の関わる人に、人種の前に「こいつ人としていいじゃん!」と思わすことかなと思います。
やっぱり日本人と言えば武士道、サムライ…。「素敵だわ!やっぱりサムライね!」と出会う人1人1人に思わせてやろうとひっそりたくらんでいるのであります。
皆様もどこかでもし嫌な目に合ってしまったら、そんなクソヤロウたちの偏見に臆することなく、サムライになりきってかっこいいと思わせて、打ちのめしてやるのはいかがでしょうか。
と言いつつ、なかなか仏にもサムライにもなれないへっぽこな私です...。笑