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2018年2月25日完 パイオニアのご愛読ありがとうございました!

大切な人から「LGBT当事者である」とカミングアウトされたときに大事にしてほしい2つのこと

近年、自分がレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーであるといった、LGBT当事者であることをカミングアウトしやすくなってきました。電通ダイバーシティ・ラボのLGBT調査2015によると、7.6%がLGBT層になるというデータが発表されています。この割合は、左利きの人と同じくらいの割合です。日々の中で左利きの方の会ったことがない、という人はいないはずです。左利きの方を見つけるくらいの割合でLGBT当事者もあなたのまわりにいるということなのです。あなたもいつカミングアウトされる機会にあうかわからない…?

本日は、LGBT当事者であることをカミングアウトしたことも、されたこともあるMitchanからカミングアウトされたときに大切にしてほしいことをお伝えします。

カミングアウトされたときに大切にしてほしい2つのこと

私が思う大切にしてほしいことは、たった2つです。
「否定しない」
「途中で話を遮らない

人の話を聞く際の鉄則ですが、特にカミングアウトされたときにはこの2つを意識してほしいです。なぜならば、LGBTの話題は当事者からすると、長い期間悩み続けてきたナイーブなものです。それを他者に話すということは、非常に勇気がいります。様々なことを悩んだ上で、「あなたには伝えたい。」と思い、カミングアウトされる方も多いはずです。そのため、丁寧に聞いてもらえるとそれだけで、伝えた側は気が楽になります。

「否定しない」は相手を認める

人は、誰しも承認欲求があります。「今の自分を受け入れてほしい。」という気持ちです。これが満たされると、人は前向きに動き出すことが出来ます。「今の自分で何が出来るか?」を考え始めることが出来ます。否定するということは、相手を認め、受け入れるどころか、相手の気持ちを踏みにじることになり傷つけ、自分の殻に閉じ込める可能性があります。
とは言っても、相手の意見を全肯定すると、自分自身の気持ちをないがしろにしたことを言うことになるかもしれません。それはそれで聞き手が辛いし、話の聞き方として違うと思います。相手と自分、どちらも大切にするためにも、否定せずただ聞くことが、最初は大切だと考えます。

「途中で話を遮らない」は相手に興味があることを伝える

自分が一生懸命話しているときに、「あっ、私もなんだけど…」と話を持っていかれた経験はありませんか?「自分に興味を持ってくれないのかも。」と悲しい経験をしたことが私はあります。先ほどの「否定しない」と同じになりますが、相手の承認欲求を満たし、相手に興味があることをしめすためにも、まず話を聞き切る必要があると考えます。

この2つは、大切な人が「あなたには伝えたい。」と思って、カミングアウトしてくれた時に大事にしてほしいことです。カミングアウトされる以前に、きちんと信頼関係を築き合ってきた仲なら難しいことではないと思います。

Mitchan経験談

カミングアウトした話

私は友人にバイセクシュアルであることをカミングアウトしたことがあるのですが、その時の対応を今でも鮮明に覚えています。近くのファミレスで話す中で、「言おう!」と決め切ったはいいものの、実際に口に出すまでに約1時間かかりました。友人は、「なんのことだ?」と思いつつ、ずっと私が話し出すのを待ってくれていました。やっとのことで「実は、女の子も好きになるんです…」と伝えたところ、「そうなんだ!海外の人でも多いよね、友達に何人かいる!いいんじゃない?」と笑顔で言ってくれました。その笑顔を見たときに、言ってよかったと思いました。そして、言えた自分のことをまた少し好きになりました。

カミングアウトされた話

逆に、私は友人にレズビアンであることをカミングアウトされたことがあるのですが、正直言うと非常に驚きました。「彼氏いたことあるじゃん!」と内心思ったりもしました。しかし、話を深く聞いていく中で、自分は信頼されていると感じられ、嬉しく思いました。私のことは「友人として尊敬しているし、好き。」ときちんと言葉を選んで伝えてくれたのも好印象でした。

心理学を学び、カミングアウトが互いにとっていい方向に向かうのには、時期も重要だと気がついた話

10代~20代前半の人へのカミングアウトは、20代後半以降の人へのカミングアウトよりも、時期を選ぶことが大切だと思われます。なぜならば、10代のころは、どうしても「同じである」ことが正義だと思われがちです。すなわち、自分とは違うものを排除しようとする傾向が心理学の発達段階的にあるからです。
12歳から20代半ばの青年期には、アイデンティティの確立があります。つまり、「自分は何者なのか」という疑問に対して、「自分はこういう人間だ」という自覚を持つことが出来るようになります。これが確立されるようになると、自分以外の他者に対して、「相手は自分と違うし、違っていい。」と自分とはタイプの違う他者を受け入れられるようになります。つまり、青年期を通して、人は自分と異なる他者を受け入れられるようになるのです。

カミングアウトをされる人は、カミングアウトする側からしたら、自分とは違う他者を受け入れられると見えているから伝えているのかもしれません。信頼と尊敬のもと伝えてくれているはずです。そのことを片隅に置きながら聞いてもらえると救われる人はいるはずです。
逆を言うと、アイデンティティが確立されていない人にカミングアウトするということは、他者と自分を切り分けられていないため、カミングアウトすることで関係性が変化する可能性が高くなると思います。

まとめ

カミングアウトする人も、される人も相手を尊重しながら伝え、聞けば、よりよい関係を築けるきっかけにカミングアウトの場はなると思います。これから、LGBTの話題を通して、人がより深く繋がることになることを私は望みます。

ちょっと余談

最後に少しだけ違う角度からお話します。カミングアウトする側は、「受け入れてほしい」というスタンスでカミングアウトする人が多いのではないかなと思います。受け入れてもらえたら万歳ですが、カミングアウトをされる側も急に言われたら、驚き、もしかしたら突き放されることもあるかもしれません。それも当然、カミングアウトされた側にも受け入れる/突き放す等の選択権があります。カミングアウトした側が、なんで受け入れてくれないのだ!と怒るのは違うと思います。アイデンティティの確立の話に戻ってしまいますが、「LGBT当事者の存在を受け入れることが出来ない人なのだ。自分とは違うのだ。まぁそれでもいいか。」と思えたら、みんなが楽に生きられるのではないかと思います。
そもそも、相手の態度を基準にしていたら、しんどくはありませんか。「LGBT当事者であることを人に伝えられた自分は一歩前に進めた。」と自分で自分を褒め、自分を受け入れることから始めてもいいかもと思います。そういう私も、日々、人に様々なことを伝えながら今の自分を受け入れるために必死に生きています。

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